ポリッシュ・アーティストである gosia wlodarczak氏 のパフォーマンス・ドローイングは固く結節した形象と分厚く編まれた線の網として表現されます。部分的にばらばらになったモチーフの結果としてのグラフィック的なカオス、建築や家具、道具や形相のランダムな断片....などがこのアーティストにとって「凍結した瞬間のカプセル、時空膜」を意味します。
芸術的過程に焦点を置くことを目指しているシンガポール・ビエンナーレにとってこのような作品は非常に適していると言えます。 また1930年代に建設された現在使用停止のシンガポールで初めての民間のカラン空港は、そのパフォーマンスの行なうのに的確な場所です。 飛行場のもともとの建物配置は飛行機がどの方向からも着陸できるように計画されており、円形のガラスに囲まれた管制塔では全ての方角を見渡すことができます。
gosia wlodarczak 氏は氷点下の東欧の夜間にガラス窓に広がるマンデルブローのフラクタルパターンに因んで 、このプロジェクトを「フロスト・ドローイング」と呼びます。あまり寒くならず、ましてや零下となることのない気候における奇想に思えるかもしれません。視覚的印象の液体流動が、シンガポールの社会および経済の移住性の経験と容赦ないダイナミズムを引き合いに出しながらアートとして凝固します。
gosia wlodarczak 氏は1959年にポーランドに生まれました。 1996年以降、氏はオーストラリアのメルボルンに住み、制作活動をしています。
第3回目のsingapore biennale (SB2011) は3月13日に公式に開会され、2011年5月15日まで開催されます。
designboom はアートディレクターのmatthew ngui 氏、キュレーターの russell storer 氏及び trevor smith 氏に案内されてこのショーを見学してきました。 SB2011 のオープンハウス・プログラムは国家遺産委員会の singapore art museum (SAM) (シンガポールアートミュージアム)によって企画され、 the national arts council, singapore (シンガポール国立美術カウンシル)によって支援されています。 30カ国から63人のアーティストが4つのエキシビション開催場所(SAM 及び SAM at 8Q、シンガポール国立博物館、カラン空港、マリーナベイ)にて161作品を発表します。