Nguyen Manh Hungによる「Living Together in Paradise」、2011年作
イメージ著作権:Fee Harding
2013年4月14日まで開催されるオーストラリアのクイーンズランドの第7回アジアパシフィック・トリエンナーレ・オブ・コンテンポラリーアートで、「Living Together in Paradise」と題したNguyen Manh Hungによる意欲的な作品が展示されている。アーティストの幼少時代の家を題材にした手製の3mの高さの高層集合住宅の詳細な模型を取り巻くジオラマだ。Hungは自身の経験や見聞に基づいた作品を制作するアーティスト。「One Planet, The Barricade」では母国の建築的景観を描き、非常に細かな模型を最小限の材料で組み立て、ベトナムの多くの国民が経験した水不足、経済的困難といった束縛された生活環境を表現している。また「One Planet, Go To Market」では、突進するジェット機が食料を輸送しているのが愉快だ。これは彼の長年の軍国主義のイメージ(彼の父は戦闘機のパイロット)への憧れだけではく、消費文化における2つの異種の要素をユーモラスに混ぜ合わせることで商業主義の象徴を表現。
「Living Together In Paradise」についてアーティストのコメント:
「私はハノイの街の高層集合住宅で生まれ、育ちました。そこでの20年以上の生活を通して、それは都会的な生活スタイルというよりむしろ上下に積み重なった複雑な「村」であることを発見したのです。居住空間を自分で改善し、動物や野菜を育てながら、乱雑さが横行する中で生活水準を向上させていくのです。人々はほとんどプライバシーも秘密もなく全てを共有しながら生活しています。」
そして自分に問いかけます、「楽園には天使も一緒に暮らしているのだろうか?」と。
3mの高さの高層集合住宅の模型はアーティストの幼少時代の家を題材にしている
写真著作権:Fee Harding
写真著作権:Christy Gallois
Hungはベトナムの生活文化での自身の経験や見聞に基づいて作品作りをする
写真著作権:Christy Gallois
パノラマの動画
「One Planet, The Barricade」2013年作
写真提供:アーティスト
多くのベトナム国民が経験した水不足、経済的困難といった束縛された生活環境を表現する最小限の材料で組み立てられた非常に細かい模型
写真提供:アーティスト
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「One Planet, Go To Market」、2013年作
写真提供:アーティスト
アーティストの長年の軍国主義イメージに対する憧れを表現する作品
写真提供:アーティスト