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Channel: 世界のデザインニュース(designboom)
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SANAAのデザインするイタリアのボッコーニ大学新キャンパス

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SANAA: new bocconi university campus, italy

SANAA(妹島和世+西沢立衛)によるイタリアのミラノのボッコーニ大学新キャンパスのデザインが発表された。透明な建物と緑地のデザインによってこの大学は、街に対して完全に開かれている。そして街のコンテクスト及び規模を考慮して計画されている。この案では建物群と公園間のスムーズな移動が可能なように一連の中庭を設け、周囲の建築物に見られるモダンなタイポロジーに変換されたアーケードや回廊を起用している。


緑地をもつ開かれたデザイン

35,000㎡の空間では、3つの主な介入が繰り広げられる。まず1つ目は、各プログラムの内容を組み合わせながらスクール・オブ・マネージメントを3棟の建物へ融合すること。2番目はスポ—ツ及びレジャーの推進としてオリンピックサイズのスイミングプール、ジムとフィットネスセンターを一般に開放すること。3番目は300人まで学生及び教授を収容できるレジデンスホールの提供だ。

透明なキャンパスの柱とオープンスペースの調和したシークエンスを作るアーケードによって大学は街に対して開かれてており、21,500平方メートルの公園敷地内に日影を作るカシ、シデ、クロポプラ、ニレ、エノキの樹木が周辺領域の輪郭を描く。そして不透明なシェルは、この未来の都市研究機関における活動と知識のコンセプトを伝達する役割を果たす。


中庭空間


敷地模型


Omer Arbelの手がけた「54.2 Tacofino Commissary」

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omer arbel: 54.2 tacofino commissary
Omer Arbelの手がけた「54.2 tacofino commissary」
写真著作権:Gwenael Lewis 

バンクーバーに拠点を置くデザイナー、Omer Arbelが2台のストリートフードトラックによる食の提供をバックアップする新しい東バンクーバーのレストラン54.2 Tacofinoのインテリアを手がけた。内部は様々な水平の層によって明確に構成されている。またランダムに曲げられた銅線によって吊られた吹きガラスのペンダントライトの空洞には、サボテンなど多肉植物が収まっている

再利用した木製の厚板でテーブル、ベンチ、バーカウンターを制作。テーブルやベンチを支える何本もの鋼管が、コンクリート剥き出しの床とコントラストを成す。それらが室内を貫いて形成する通路に沿って、来客はこの建物の構造体を通り抜けることができる。


Tacofinoの内部空間


回収された木材によるテーブルをキッチンバーから眺める


吊られたプランターのシャンデリアの詳細
Omer Arbelによるプランターシャンデリアに関するdesginboom内の記事はこちら


グラスの中に生息するサボテンや観葉植物


回収された木材による給仕番号

Stiff + Trevillionのデザインした Innocentのオフィス「Fruit Towers」

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stiff + trevillion: fruit towers - innocent office design
Stiff + Trevillion
englandの手がけたロンドンの「innocent」
写真提供:Stiff + Trevillion

ロンドンをベースする建築事務所、Stiff + Trevillionから彼らの手がけたプロジェクトの写真が送られてきた。英国生まれのジュースとフルーツスムージーの会社、 Innocentの社屋デザインだ。 2層吹き抜けの共有空間が特徴的で、ワークスペースの中心である鉢型の下階を見下ろせる。グリーンのカーペットを敷き詰めた床やカラフルなアクセントで当社の若い気風を反映したインテリアとなっている

上階は会議室及び反復階。これらの空間を公共ゾーンと仕切るガラスのパーティションからは、内部空間に自然光が降り注ぐ。個別の仕事場は開放的な環境の周囲に配置され、床から天井まである窓からは、社員たちが広がるウォーターフロントの眺めを望むことができる。ギャラリーのように設置された浅い白色の棚ユニットには数多くの製品が陳列され、全てInnocent(の商品)で壁を覆っている。


室内コートヤード


吹き抜けの天井


2階のバルコニー


隅のコーナー


個人オフィス


ガラスパーティションのディテール


ワークスペース


床から天井までの窓


サインと陳列棚のディテール


外観


平面図 / 1階


平面図 / 2階


平面図 / 3階


平面図 / 4階


平面図 / 5階


平面図 / 6階

Platoon Cultural Developmentによる「Platoon Kunsthalle Berlin」

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platoon cultural development: platoon kunsthalle berlin
ドイツ、ベルリンのPLATOON Cultural Developmentによる「PLATOON KUNSTHALLE」
写真提供:PLATOON Cultural Development

ベルリンに拠点を置くPLATOON Cultural Developmentが、最近市内にクリエイティブなグローバルネットワークを築く場として「PLATOON KUNSTHALLE」を完成させた。プログラム的に新しいアイデアを考案することを目指すこの機関は、実に幅広いフィールドと6500人以上のプロフェッショナルなメンバーをサポートする。このコミュニケーションのためのプラットフォームはストリートアートやファッション、政治的活動などに開かれており、ギャラリーとパフォーマンススペースを備えている。また未発掘の前衛的なアーティストやサブカルチャーの大胆なチャレンジを積極的に紹介する。

グローバル化された画期的な性質を表現するこの建物は、33個の輸送コンテナで構成されており、フレキシブルな構造形態は必要に応じて再構築可能だ。オーディトリウムでは映画の夜間上映やマルチメディアパフィーマンスが行なわれ、さらにパネルディスカッションやその他のイベントも繰り広げられる。オフィス、スタジオ及びバーも併設されている。


ワークラウンジ


ワークラウンジ


ワークラウンジ


メインホール


シンクタンク

プロジェクト情報:
コンセプトデザイン: Platoon Cultural Development
エグゼクティブアーキテクト: Graft Architects、ドイツ、ベルリン
構造担当: Ingenieurbüro Leipold、ドイツ、ベルリン
鉄骨部分施工: Bootsmanufaktur、ドイツ、ベルリン
ガラス施工: Museumstechnik、ドイツ、ベルリン
所在地: Schönhauser Allee 9, 10119 Berlin, Germany

Studio XAGの手がけたChristian Louboutinのクリスマスウィンドウ

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christian louboutin christmas windows by studio XAG
「Christian Louboutinのクリスマスツリー」
写真著作権:Susie Rea

Christian Louboutinのブティックのクリスマスウィンドウの装飾を依頼を受け、ロンドンベースのStudio XAGは、このフランス人デザイナーの「ピガール」シューズを彼らのミューズとして、ハイヒールの特注クリスマスツリーを作った。

白のハイヒールにこのデザイナーのシンボルとも言える艶の真っ赤な色でソールを仕上げた模型を木の形とわかるように同心円の異なる高さに並べ、それら全てをルブタンのパリのアトリエにあった靴ラックを取り付けた同色の金属製構造が支えている。ダイナミックなエッジを加えるために、各ツリーを三面鏡で囲い、回転させる。そのように雰囲気を演出することによってツリーの頂点に気高く鎮座する主人公(シューズ)にスポットライトを当てている。

christian louboutin christmas tree


ツリーを形づくるようにピガールシューズの模型が同心円状の並べられている

christian louboutin christmas tree
白とルブタンのシンボルとも言える赤のソールで仕上げられた靴

Designmiamiの来場者を迎え入れるSnarkitectureによるパビリオン「Drift」

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snarkitecture's drift pavilion welcomes visitors to designmiami/
Snarkitectureによる「Drift」がDesignmiami/ 2012のメイン会場を訪れる来場者たちを歓迎する
写真著作権:designboom

OMA、ザハ・ハディド、ヘルツォーク&ドゥムロンと言った世界的に有名な建築家による多くのプロジェクトと共に、ニューヨークに拠点を置く事務所、Snarkitectureによる作品が、Designmiami/ 2012を飾った。

彼らの出展作品であるパビリオン「Drift」は、この1週間にわたるイベントのメイン会場を訪れる世界中のビジターを迎え入れる。メイン会場では専門家同様の人々が公平な発表の場で円熟した、もしくは新鋭のクリエイターの作品展示を見ることが可能だ。

昨年のイベントでのDavid Adjayeによるデザイン(designboom内の過去の記事はこちら)におけるコンセプトをさらっと模倣したようなこの構造体は、軽量鉄骨の箱型フレームが膨らませたビニール製のチューブを挟んでいるのが特徴的だ。同面に沿ってスライドしながら空気の詰まったシリンダーの束が、傾斜するトポグラフィーを形成するキャノピーを作る。洞穴を逆さにしたようなそのキャノピーの下は、入場する前にしばしくつろげるように来場者たちを迎え入れる。頭上の構造体の固まりに設けられた割れ目やヴォイドから断片的に自然光が注ぎ込み、白色の様々なマテリアルの周囲で跳ね返る。つらら状の鍾乳石の下は開放的な空間となっており、この建築家たちによってデザインされたグレーの柔軟なチューブ状の椅子が訪れた人たちの交流と会話に一役買っている。


膨らませた白いチューブのキャノピーを支持する細い金属フレーム
写真著作権:designboom


写真著作権:designboom


夜間のパビリオン
写真著作権:designboom


膨らませたビニール製のチューブを束ねて屋上構造を形成
写真著作権:designboom


膨らんだチューブのキャノピーの下に生まれた逆さまのトポグラフィーが洞窟のような空間を形成する
写真著作権:designboom


写真著作権:designboom


仰視図
写真著作権:designboom


内部を照らし出す自然光が構造体のヴォイドから差し込む
写真著作権:designboom


写真著作権:designboom


キャップ
写真著作権:designboom


パビリオン「Drift」のコンセプトスケッチ

レンダリングイメージ著作権:Snarkitecture


写真著作権:designboom


レンダリングイメージ著作権:Snarkitecture

1949年にパブロ・ピカソが描いた光のドローイング

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pablo picasso's light drawings from 1949
パブロ・ピカソの光のドローイング(1949年)
写真提供:LIFE Magazine -  Gjon Mili

当時LIFE Magazineのカメラマンだった Gjon Miliにパブロ・ピカソが紹介されたのは1949年のことだった。Miliはその頃、光を取り付けたスケート靴を履いて暗闇の中でジャンプするアイススケーターの写真を発表していた。それに興味を抱いたスペイン人の芸術家は、 彼独自のケンタウルス(雄牛とギリシャの神)を「描く」ための 2台のカメラ及び小さな照明を設置した暗室で、投影された光のドローイングのシリーズを生み出した。


パブロ・ピカソの光のドローイング(1949年)
写真提供:LIFE Magazine -  Gjon Mili


写真提供:LIFE Magazine -  Gjon Mili


写真提供:LIFE Magazine -  Gjon Mili

Platform 5 Architectsによる「Shoffice (物置+ オフィス)」

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platform 5 architects: shoffice (shed + office)
Platform 5 Architectsによる「Shoffice」 (小屋+ オフィス) 、ロンドン
写真著作権:Platform 5 Architects

ロンドンに拠点を置く設計事務所、 Platform 5 ArchitectsによるShoffice (物置 + オフィス) は、収納スペースと小さなオフィスからなるガーデンパビリオン。この彫刻的なオブジェクトはあたかも庭に流れ込んで、敷地の後部に根付いたように見える。ロンドン北西に建つこの突出した木製の楕円形シェルは、木の削り屑のようにカールして芝生上に小さなテラスを形成している。室内はオーク材で仕上げており、備品やキャンティレバー式の机が設置されている。また頭上には天窓を設け、作業ゾーンに十分な自然光を取り込んでいる。この軽量構造体は2つのリング状の鉄骨梁と木製リブ及び基礎に取り付けられた圧縮合板の外膜で構成されている。施工に際して母屋を通って運ばざるをえない材料を軽減するために、ほとんどプレハブ工法で造られている。


突き出した厚板


カールした形体がテラスを作る


バックヤードに設置


渦巻き状のフレーム


内部のオフィス空間


母屋のダイニングルームから見たところ


構造のアクソメ図


リアルな虹色の薔薇

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real rainbow roses

この虹色の薔薇は花が茎から水を吸い込む自然なプロセスを利用して人工的に着色したものだ。

茎を均等に割き、それぞれ割いた部分を様々な食紅の入った水に浸す。すると多彩な花びらが出来上がる。薔薇以外にも、キク、カーネーション、アジサイ、蘭科の花などが同様の方法で染色することが可能だ。

花の自然なプロセスを利用した方法


茎を均等に割き、割いた各部分を様々な食紅の入った水に浸す

写真著作権:John Beatty


虹の薔薇の制作過程を紹介するビデオ
ビデオ提供:Maggie Din

designboom 2012 トップ10: 教育施設

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designboom 2012 top ten: educational facilities

恐らく現在世界でさらに過少評価されている分野である教育は、予算削減、定員オーバー、優秀な人材や財源不足、不備な施設などの問題に頻繁に直面している。幸いなことに2012年は世界各地で学校施設の新しいタイポロジーがいくつか生まれたようだ。それらは単に最先端技術を用いた建物と空間の実現だけでなく、世界のある地域に今までそこには存在しなかった教育と訓練の場を提供している。今年は最も閲覧された教育施設のトップ10をランキングした。未来の創造の立場にあるであろう教育施設を我々がどのように伝授しているか確かめてみよう。

1. 'green school, bali' by PT Bamboo Pureによる「Green School, Bali

インドネシアで出会った後に、 John Hardyと妻のCynthiaは、バリのジャングル地帯と水田の真ん中に村落教育コミュニティ「Green School」を建設した。地元住民同様外国人への代替的教育システムを通して彼らの持続可能で利他的なメッセージを発信する。


PT Bamboo Pureによる「Green School』インドネシア、バリ

2. Schmidt Hammer Lassen Architectsによる「University of Aberdeen New Library

1495年に設立された世界で5番目に古い英語の大学キャンパスの図書館で、25万冊の本と写本を所有している。この1万5,500平方メートルの図書館には1万4千人の生徒が収容可能で、1200席の閲覧スペース、アーカイブ、歴史所蔵物、貴重図書のための居室が計画されている。


Schmidt Hammer Lassen Architectsによる「University of Aberdeen New Library」英国、アバディーン

3. Sousasantos Arquitectosによる「Rafael Bordalo Pinheiro Secondary School

この建物は校内の2ヶ所の運動場の間に位置する。敷地の地形を形どって曲線を描くエレメントに対して開かれた橋によって繋がっている。プラットフォームに沿った台形及び三角形の振れた外観パターン、学校の南建物と屋根表面がリズミカルな言語を作り、垂直及び水平の建築的ファサードを模倣している。


「Rafael Bordalo Pinheiro Secondary School」、ポルトガル、カルダス・ダ・ライーニャ

4. バングラディシュに建設されたソーラーエネルギーで浮かぶ学校

非営利団体、Shidhulai Swanirvar Sangsthaが、南アジアのモンスーンによる洪水が頻繁に起きる地域に住むバングラディッシュの小学生のために、通年教育の場を設立しようと計画。イニシアティブは災害に取り組むべくソーラーエネルギーを利用した浮かぶ学校を提案し、雨季のハイシーズンでも授業が中断されずに子どもたちが学べることを目的としている。


Shidhulai Swanirvar Sangstha Initiativeの提案する「ソーラーエネルギーで浮かぶ教室」

5. LIVE Architecturreによる「AMET School

敷地の美しい丘陵を利用したデザインは、ひれのような肋材からなる起伏したファサードを通して景観を縁取ったり解放することで周囲環境と直接的な関係を築くことを試みている。


LIVE architectureによる「 AMET School」インド、マハーラーシュトラ、ロナヴァラ

6. LOT-EKによる「韓国のAPAP Open Art School

川縁に配置された2つの箱が空と大地に達するように上下方向に傾いたレクリエーションスペースがウォーターフロントに登場。鮮やかな黄色と黒のグラフィックによる視覚的効果が、学校を都市構造における集いと憩いの場として特徴づけている。


LOT EKによる「APAP Open School」、韓国、安陽

7. Atelier Cubeによる「Christ The King Kindergarten

窓と重なり合うコンクリートパネルのピクセル化したファサードが、児童たちの屋外園庭の背景として機能する。非対称の高さにおいて大きさと配置を多様化させた開口部が、光、風、匂い、音などを独自に外部環境とつながりながら建物に取り入れる。


Atelier Cubeによる「Christ The King Kindergarten」、兵庫県

8. MAGK + Illiz Architekturによる「マリアエンツェルドルフのチャイルドケアセンター

幾何学的な窓とフレームで囲まれた箱型が真っ白な表面から抜きん出て、ダイナミックな外膜を作り上げ、建物を取り囲む大胆なカラーの舗装とコントラストを成す。天窓、玄関、ゴミ置き場、特別な開口部といった建築エレメント、そして遊ぶスペースや窓際のボックスシートなど子どもたちにとってとくべるな空間を際立たせるための遊び心に富んだ色調がピクセル化したファサードと融合している。


MAGK + Illiz Architekturによる「チャイルドケアセンター」、オーストリア、マリアエンツェルドルフ

9. Saucier + Perrotte Architectesによる「UBC faculty of pharmaceutical sciences

幹に支えられ地上に浮かぶ木の葉の茂る樹木という抽象的なアイデアに基づいたこの構造体は、人々を引きつける魅力的な特徴としてストリートレベルから引っ込んで建っている。幹部分は光を全てのプログラム範囲へのサービス機能をもつアトリウムに注ぐと同時に、それ自身を建築学的に表現している。


Saucier + Perrotte ArchitectesとHughes Condon Marler Architectsによる「UBC Faculty of Pharmaceutical Sciences / CDRD」、カナダ、バンクーバー

10. SANAAによる「イタリアのボッコーニ大学の新キャンパス」

透明で緑豊かなこの大学は完全に街へ開かれており、周囲の建築に見られるアーケードや回廊を取り入れながら街のコンテクストとスケールに沿ったデザインだ。また建物と公園間の容易な移動のためにいくつかの中庭を設けることで現代的なタイポロジーに置き換えている。


SANAAによる「ボッコーニ大学新キャンパス

designboomの トップ10 2011 最も閲覧された教育施設もどうぞご覧下さい。

designboom 2012 トップ10: パブリックスペース

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designboom 2012 top ten: public spaces

世界各地に建設されたほとんどのプロジェクトは個人的な所有もしくは理由のためと言える。これら全てのプロジェクトは必ず何らかの資金力に頼っているわけだが、一般開放された公共空間は時として根本的なアイデアを表現し、インフラストラクチャーを一変させる。パブリックアーキテクチャーは本質的にそのコンテクストの域で絡み合い、また買い物に行ったり公園でくつろぐといった通り一遍の日課をこなす多くの大衆にインパクトを与える特殊な位置づけにあり、それはほぼ必然とも言える。時にはそれらは新しいアクティビティを提供するように造られたり、単に既存建造物を強調する役割を担ったりする。そういった公共空間は新しい展望や単に楽しい場所を提供する場合がある。ここでは2012年に造られた誰もが利用できる公共プロジェクトを紹介する。批評されがちだが総じてコミュニティに対して影響力のあるものを選んだ。

1. Giancarlo Mazzantiによる「Bosque de la Esperanza

プレハブの12面体からなる700m2のキャノピー構造が特徴的なこのプロジェクトは、沈黙した単調なスラム街の背景に際立つ一群の樹木のようにデザインされた。


コロンビア、Altos de Cazucaに建つGiancarlo Mazzantiによる「Bosque de la Esperanza」

2. NEXT Architectsによる「Melkwekbridges」

アムステルダムの事務所、NEXT Architectsによる「Melkwegbridge」はKanaalsprongマスタープランの一部であるMelkwegの延長であり、Weidevenne地区とPurmerendの歴史的市街地を結ぶ。


Purmerendに誕生したNEXT Architectsによる「Melkwegbridge」

3. Roberto Ercillaによる「Mechanical Ramps

北スペインのヴィクトリアの中心を二分し、文化的中心地に到達するRoberto Ercillaによる「Mechanical Ramps」は、街の双方を結ぶローカルコミュニティのアクセスを改善するもので、保護された断続的に変化するシークエンスを持ちながら、平坦な地面部分では外部に出入りできるように分断されている。


スペイン、ヴィクトリアのRoberto Ercillaによる「Mechanical Ramps」

4. Grant Associatesによる「Bay South - Gardens by the Bays」

冷涼な温室「フラワードーム」や「クラウドフォレスト」、金色の庭園、銀色の庭園や「スーパーツリーグローブ」にそびえ立つに建つ「スーパーツリーズ」、遺産庭園、植物界、トンボとカワセミの飛び交う湖などが目を引く理想郷的植物園。変化する花々の展示、光とサウンドを演出したショー、メディアが植物の物語に生命を与える。またレストランやショッピング施設も充実している。


Grant Associates + Wilkinson Eyreによる「Bay South - Gardens by the Bay」、シンガポール、マリーナベイ

5. Ole Scheerenによる「Floating Cinema

太平洋にそびえ立つ岩が並ぶドラマチックな景観に囲まれ、観る者は自然と映像の織り成す雰囲気溢れる物語の収束を経験する。大洋と空の間に広がる暗闇に光とサウンド、そしてストーリーの根源的な概念が存在する。


Ole Scheerenによる「Archipelago Cinema」、タイ

6. Santiago Calatravaによる「Peace Bridge in Calgary, Canada

ガラス屋根で覆われた全長126mのシングルスパンの螺旋状の歩道橋がなだらかにカーブしながら水面を横切る。ダウンタウン地区のプリンス島公園に隣接するこの構造体は都市の中心とメモリアルドライブを繋ぐルートを歩行者及び自転車利用者のために提供する。


カナダ、カルガリーのSantiago Calatravaによる「Peace Bridge」

7. BIG Architects, Topotek1 + Superflexによる「Superkilen Urban Park

「Superkilen」は1kmに渡る長い公園で、コペンハーゲンの市の中心のちょうど北にあるNørrebroエリアを通って位置する。60以上もの異国籍者が住むデンマークの首都における最も多民族で社会的な問題を抱える近隣地区でのプロジェクト。


BIG Architects, Topotek1, Superflexによる「Supekilen」デンマーク、コペンハーゲン

8. Visiondivisionによる「Chop Stick

Viriginia B. Fairbanks Art & Nature Parkの100エーカーの敷地内にIndianapolis Museum of Artから場内スタンドの建設を依頼されたスウェーデンの建築事務所、Visiondivision(Anders BerenssonとUlf Mejergren)は、「Chop Stick」を造った。これは何か新しいものを生み出すには何かを犠牲にしなければならないといった普遍的な概念をもとにデザインされた。


VisiondivisionによるIndianapolis Museum of Artの場内スタンド「Chop Stick」

9. Salto Architectsによる「170 Foot Trampoline

ロシアのArchstoyanie フェスティバルのためにエストニアの建築事務所、Saltoが計画したこの170フィートの長いトランポリン「Fast Track」は、公園計画における不可欠な要素として機能する。道の挿入として表現されたこのプロジェクトは、周囲の環境を無視した技術面及び機能面に重点をおかれがちな一般的なインフラストラクチャーの概念に対する挑戦である。


Salto Architectsによるロシアの170フィートの長さをもつトランポリン「Fast Track」

10. 「サラエボのFestina Lente Bridge」

デザイナーのAdnan Alagic, Bojan Kanlic, Amila Hrusticによってデザインされたこの陸橋は、 現世界と精神世界の融合と左右のバランスを確立することを基本的アイデアとしている。明確な配置計画とゲートを通り抜けた時に出会う眺望が、橋を渡る時にユニークな経験をもたらす。そして魂を呼び起こすような別の次元へ歩行者を誘い込む。


Alagic, Bojan Kanlic, Amila Hrusticによってサラエボに計画された「Festina Lente Bridge」


designboomの TOP TEN public spaces of 2011をご覧ください。

designboom 2012 トップ10: アート

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芸術は時事、技術及び文化と共に拡大収縮しながら常に変化している。2012年はまさにこのことを実証する影響力のある作品の生まれた年であった。

designboom's 2012 top ten: art

芸術は時事、技術及び文化と共に拡大収縮しながら常に変化している。2012年はまさにこのことを実証する影響力のある作品の生まれた年であった。写真、彫刻、インスタレーション、フードデザインといった分野にわたって、アートの領域は視覚的素材で満ちあふれていた。そしてそれぞれがあらゆる感情を駆り立てる力を持っていた。designboomは順不同で2012年のトップ10を紹介し、常に変化を遂げる創造的な表現の世界で最も読者が評価した作品の一片を明らかにしてみたい。

1. ワーグナーの「指環」のヌードパブリックアートパフォーマンスがミュンヘンオペラフェスティバルで開催

アメリカ人インスタレーションアーティスト兼写真家のSpencer Tunickが、2012年のミュンヘンにおけるオペラシーズンのスタートに際して、彫刻的作品をヌードによる実演で披露した。135年もの間続くオペラフェスティバル、Bayerische Staatsoperのオープニングで、Tunickは1700人もの人間を公共広場に集め、彼らが個々の有機的な形態もしくはランドスケープとして参加することでこの音楽祭を祝した。このインスタレーションはBavarian State Operaに依頼された「指環」のために、ミュンヘンのMax-Joseph Platzで企画及び撮影された。裸のボランティアたちはその裸体を赤もしくは金に塗り、有名なオペラ作品、リヒャルト・ワーグナーの「ニュルンベルグの指環」から感動的なシーンを思い起こさせる造形を表現した。


Spencer Tunickによる「指環」, 2012年
写真提供:Bayerische Staatsoper

2. Tauba Auerbachによる「RGB Colorspace Atlas」

アメリカ人アーティスト、Tauba Auerbachがページごとにデジタルオフセットによる一連の色彩を施した8インチの立方体のハードカバー付き見本帳を制作。エアブラシで仕上げた布製の表紙及び本の小口とデジタルオフセットプリントによる紙面によって現存する全ての色を色彩豊かに表現している。この特別な製本はアーティスト自身がDaniel E. Kelmとのコラボレーションによってデザインした。Leah Hughesの協力を得て個人製本所、Wide Awake Garageが印刷を担当。


Tauba Auerbachによる「'RGB Colorspace Atlas」
写真提供:Brittany Schall

3. 1949年にパブロ・ピカソが描いた光のドローイング

当時LIFE Magazineのカメラマンだった Gjon Miliにパブロ・ピカソが紹介されたのは1949年のことだった。Miliはその頃、光を取り付けたスケート靴を履いて暗闇の中でジャンプするアイススケーターの写真を発表していた。それに興味を抱いたスペイン人の芸術家は、 彼独自のケンタウルス(雄牛とギリシャの神)を「描く」ための 2台のカメラ及び小さな照明を設置した暗室で、投影された光のドローイングのシリーズを生み出した。


パブロ・ピカソの光のドローイング(1949年)
写真提供:LIFE Magazine -  Gjon Mili

4. Banksyの作品に動くGIFイメージを通して生命を吹き込む

セルビア人アーティスト、ABVHがBanksyによる名作を新たに解釈したアニメーションのGIFイメージを生み出した。Canal St. 及びWest Broadwayに描かれた「Kissing Coppers」、「No Stopping Rat Sign」、「Man Walking Keith Haring Dog」、「Pink Floyd: The Wall」、「Parking」、「Banksy Rat Mural」を含む6つの有名作品を利用したこれらのシリーズに著名なストリートパフォーマーは、GIFアートのからくりを用いて生命を吹き込んだ。作品は一時停止の標識を半狂乱で走りすぎるネズミや激しく吠え立てるキース・ヘリングの犬などといった予想される動きをオリジナルの原板に落し込んだもの。それぞれがBanksyの尊重されるべく遺作に活気を与えている。


ABVHによるBanksyの「Kissing Coppers」のGIFイメージ

5. photographs 写真が捉えるハンガリーの有害廃棄物の流出によって赤く染まった街

スペイン人写真家のPalíndromo Mészárosが「The Line」というシリーズを制作。このプロジェクトは2010年に西ハンガリーの有害廃棄物流出直後を記録にとどめたものだ。9人が死亡し、何千人もの市民を強制非難させたこの出来事を、村を赤く染めた物質でわかりやすく表現した作品だ。作品では被害に会った住民をほとんど取り上げていなく、街の景観に傷を残した有害な副産物に注目している。写真は全く加工されておらず、樹木や住宅、建物などの2mほどの高さに達した緋色の汚染を捉えている。


Palíndromo Mészárosによる「The Line」

6. Skypeがつなげる家族写真

現代の国際ファミリーに新しい肖像画法で家族をひとつにまとめるシンガポール生まれのニューヨークで活躍する写真家、John Clangによる写真シリーズ。特別な血縁集団が物理的にひとつの場所にいるかいないかにかかわらず、今では普通となったあちこちに離散する家族を繋ぎ合わせるこの作品シリーズでは、スカイプのビデオチャットシステムを利用した欠けたメンバーの投影によって家族の全てのメンバーを写真に収めることを可能にした。


John Clangによるシリーズ「be here now」より, 2012年
「パリ(と投影されたシンガポール)」: Stephanie Chi-Weng Tsui; 彼女の母のAlexia Wai-Chun Tye: Alexiaのパートナー、Pierre De Fouquet」

7. Olivier Grossetêteによる橋を吊るヘリウム気球

フランス人インスタレーションアーティスト、Olivier Grossetêteの作品、「Pont de Singe」は、夢幻的でシュールレアリズムなアイデアを呼び起こす。羽根のように軽い橋が3つのヘリウムで満たされた気球に吊られて、英国のTatton's Japanese Gardenの湖上に静かに浮かんでいる。Grossetêteのアートワークはデザインと構造の秩序を考慮しており、特にこの作品は彼の2007年の作品、「Pont Suspendu」の延長とされる。それは橋のような構造体を3つの気球で支えた類似したインスタレーションで、フランスのTretにあるChâteau Ferry Lacombeの上に浮かぶというもの。通常は現実の世界で空想にふけるためにとってある非現実的なイメージを置き換えることで、抽象的で繊細な感覚を喚起する作品。


Grossetêteによる「Pont de Singe」
写真著作権:Wilf

8. Leeum Samsung Suseum of ArtでのDo Ho Suhによる「Home within Home」 

韓国人アーティスト、Do Ho Suhが個展で発表した最新作品は、垂れ下がる糸と薄い布の立体的なオブジェでソウル、ニューヨーク、ベルリンといった首都に住む彼の遊牧民的存在を表現したもの。彼は「家」というコンセプトを骨格の表現としてミュージアム全体に発展させ、かつギャラリースペースで境界とパッサージの双方としてこのコンセプトを具体化することで、本当にその場所に住むことの概念を探求している。


Do Ho Suhによる 「home within home」より「Seoul Home / Seoul Home」、2012年 
シルク、金属補強材
写真提供:Leeum, Samsung Museum of Art及びアーティスト

9. 大胆な動きを描くヌードを丸山晋一が撮影

重力に耐えられなくなる直前のぶつかり合った液体のほんの一瞬を不朽のイメージとして捉えることで有名な写真家、丸山晋一。彼の最新の作品「Nude」では引き続き写真を通して「動き」を探求しており、従来のヌード芸術作品の表現を再形成しながら、それを時間との関係性に結びつけている。

抽象的で大胆な動きの肢体が隠れたキャンバス全体に芸術的な一筆を振るうように、空間いっぱいに肉体の動きを作り出す。このコンセプチュアルかつ芸術的な問いかけは、形体ではなく非常に軽い人間の動きの能力を通して、人間の肉体美やダンスや舞台、ジェスチャーの能力の一つを呼び起こす。


丸山晋一による「Nude #2」、2012年作

10. Emilie de Griottesによる「pantone tarts

フランスの料理雑誌、Fricoteの特集のためにフランス人フードデザイナーのEmilie de Griottesが、パントンの色見本をリクリエイトするデザートタルトを開発した。下部を白くアイシングし、パントンの色番号を書いたタルトベースの上にベリー類、人参、レモン、キャンディ、その他の食材をアレンジする。このタルトの作り方はFricote Issue Number 6(2012)で参照可能。


FricoteマガジンのためにEmilie de Griottesが制作したタルト「Pantone 1797 C」

INABAによるシャンデリアのインスタレーション「Skylight」

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skylight chandelier fixture installation in norway by INABA
INABAによるシャンデリアのインスタレーション「Skylight」、ノルウェー

アメリカの建築事務所、INABAKORO Public Art Norwayのために常設インスタレーション「Skylight」を完成させた。スタヴァンゲルの新しいコンサートホールのホワイエに吊られた6.6m x 11.5mのこの構造体は、隣接する公共広場、近隣地区や港からも見え、灯標のような存在だ。地域の極端な大気状態に呼応して、「Skylight」は夜明けと黄昏れ時の北欧の空を混ざり合う明るい色調で引き立たせながら補足する純粋な色光パターンを放つ。

裏表逆のシャンデリアは照明器具が内側に向かって取り付けられ、構造体の内面を照らす。このプログラム可能なLEDシステムは輝度と色相を変化させ、来場、開演、幕間、退場、閉場の際に異なるパターンを作り出す。また街から見えるように、5層の高さのホワイエに設置されたこのシャンデリアの周囲はシリンダー状に取り除かれオープンな空間となっている。6.5トンの洗練された形態をもつインスタレーションを2箇所のピン接合の支持で吊ることで、その配分重量が構造体を傾斜角度で静止させ、年間を通して重要な瞬間に太陽光の入射角と同調させる。


写真著作権:Ivan Brodey、2013年


写真著作権:Ivan Brodey、2013年


Skylightのビデオ


写真著作権:Ivan Brodey、2013年


写真著作権:Ivan Brodey、2013年


写真著作権:Ivan Brodey、2013年


写真著作権:Ivan Brodey、2013年


写真著作権:Ivan Brodey、2013年


写真著作権:Ivan Brodey、2013年


図面著作権:INABA Inc、2013年


図面著作権:INABA Inc、2013年


図面著作権:INABA Inc、2013年

プロジェクト情報:
デザイン: INABA、ニューヨーク
コンペティションチーム: Jeffrey Inaba, Darien Williams, Karin Nelson, Yasmeen Khan, Micael Duran,
Eugene Park, Sorayos Tang Chuenchomphu, Kristoffer Miller
実施設計: Jeffrey Inaba, Alan Kkan, Steven Tsai, Stephanie Lee
施工: DAMTSA, Buenos Aires
dante Martinez, Esteban Ehrlich, Carlos Fatturini, Lucia Martinez
構造設計: Buro Happold, New York
cristobal Correa, Jeff Thompson
動画制作: MTWTF, New York
glen Cummings, Alec Donovan
照明: Ljusarkitektur, Stockholm
kai Piippo, Paul Ehlert
クレジット: 
:写真著作権:Ivan Brodey, 2013年、図面・ダイアグラム・ビデオ著作権:
INABA Inc, 2013年

このプロジェクトは、designboom愛読者の自らの作品の発表の場である「DIY submissions」に投稿されたもの。

建設中の世界一サステイナブルな建築「Bullitt Center」

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bullitt center: the world's most sustainable building under construction

商業建築はやがてサステイナブルデザインの域における新たな水準に完全に達するだろう。現在建設中のアメリカの建築事務所、Miller Hull Partnershipが手がける「Bullitt Center」は、ありとあらゆるパッシブ式及びアクティブ式機能を組み合わせた環境戦略を駆使している。6階建てのこの混合用途ビルは非常に自給自足的で、実際この建物は少なくとも12ヶ月間は水及び光熱源に関しては供給網に頼る必要がない「生きた建築の挑戦」といった必要条件を満たそうと試みている。太陽電池計画、ビルトイン式の集水装置、現場濾過装置を用いた環境に優しい建築技術、再生可能エネルギー及び高効率エネルギー対策を行なうBullitt Centerは、基本的に人間らしい環境に不可欠な自然光、眺め、新鮮な空気も建物の隅々まで取り入れている。森林管理協議会公認の木材を骨組みに利用し、効率的な輻射暖房が冬期には快適な室温を保つ。日照不足な場所にもかかわらず水及び電気は現地で100%供給される。内部はコンポスト式トイレやゴミ処理システムが計画されている。北米における商業建築において画期的なこのプロジェクトは、可能な限りのサステイナビリティに対する取り組みを初めて具現化する。現在テナント募集中で、あなたも歴史の1ページに残ることができるかもしれない。


「Living Proof」のイントロダクション
ビデオ著作権:Hal Calbom


道路側のファサード
写真著作権:Miller Hull Partnership


写真著作権:Miller Hull Partnership


1階のエントランスの商業空間
写真著作権:Miller Hull Partnership


写真著作権:Miller Hull Partnership


屋根に設置された光電池
写真著作権:John Stamets


太陽光発電パネル
写真著作権:John Stamets


スチールパネルの組立て
写真著作権:John Stamets


鉄骨木混構造
写真著作権:John Stamets


床暖房
写真著作権:John Stamets


打設中のコンクリート床
写真著作権:John Stamets


近隣ゾーンを示す敷地図
写真著作権:Miller Hull Partnership


平面図と断面図
写真著作権:Miller Hull Partnership


平面図 / 4階
写真著作権:Miller Hull Partnership


エネルギーシステム計画
写真著作権:Miller Hull Partnership


エネルギー利用の度合いを示すダイアグラム
写真著作権:Miller Hull Partnership


エネルギー消費の比較
写真著作権:Miller Hull Partnership


エネルギー利用の調整比較
写真著作権:Miller Hull Partnership

「Port-A-Bach」: Atelierworkshopによる輸送コンテナを利用したホリデーハウス

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port-a-bach shipping container retreat by atelierworkshop

引き続き輸送コンテナを利用した建築に関する記事として、今回はAtelierworkshopによるホリデーハウス「Port-A-Bach」を紹介する。この建築プロトタイプは中国の杭州で造られ、最終的にニュージーランドへ送られた。

一個の輸送コンテナからなるこのコンパクトな住居では、夫婦と子供が快適に住むことができる。室内には十分な収納スペースをもつ造り付けの食器棚や棚、ステンレス製キッチン、オープンシャワー付き浴室、洗面所及びコンポスト式トイレが備わっている。また環境に優しいデザインへの取り組みを表現している。住宅内に取り付けられたファブリックパーティションシステムは建築家たちが開発したもので、住人によって大きな空間の中に小さな居室を作ることが可能だ。このバケーション用の住宅は、二段ベッド、ダブルベッドルーム、着替えコーナー、キッチン、浴室を備えている。

 外壁であるスチールシェルにおいては、下に倒せる蝶番付きのサイドパネルによって生まれるデッキエリア上にキャンバス地のスクリーンが屋根を作る。これにより居住空間が屋外まで広がる。非浸食性の6つのコンクリート基礎で構成されるこの構造体は、様々な地盤状態の場所に設置が可能。

「Port-A-Bach」は永久的な土地の所有拘束を強いることのないフレキシブルで長期型滞在のための居住空間を提供する。トラックもしくはヘリコプターで輸送可能なこの住宅は、いかなる土地にも最小限の負荷で設置できる。


スチール製の輸送コンテナに収まった住宅


外壁のひとつが蝶番で取り付けられており、それを開けることで住人は内部の居住空間を屋外へ延長することが可能


輸送コンテナの開閉ドア側に装備された二段ベッド


住宅の外構のキャンバス地のスクリーンシステムが開放的な内部空間の一部を保護


二段ベッドとダブルベッド1つが装備された住宅


壁収納ベッドは居住空間に柔軟性をもたらす


左:キッチンとベッドコーナー
右:造り付けの棚で十分な収納スペースを確保


左:キッチンから奥の浴室を眺めた室内の様子
右:屋外から浴室を見たところ


オープンシャワーとコンポスト式トイレが特徴的な浴室


青々とした芝生の中の「Port-A-Bach」

平面図


断面図


Maker Faire Africaによる「尿を燃料にした発電機」

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urine powered electricity generator at maker faire africa
Maker Faire Africaによる「 尿を燃料にした発電機」
写真提供:Maker Faire Africa 

ナイジェリアのラゴスで行なわれたMaker Faire Africa 2012に初めて参加した十代の少女たちのグループが、尿を燃料にして稼動する発電機を開発した。電解槽で「黄色い物質」から水素を分離することで機能する。そしてガスボンベが液体ホウ砂入りの容器に水素を送り込み、物質から水分を取り除き出来上がったのが機械燃料に試用可能な浄化されたガスというわけだ。セキュリティ対策として一方弁を使用して生産されるこのエネルギー源は、1リットルにつき6時間の電気を供給する。トイレに行く頻度を考慮すると稼働率はまずまずだ。


尿から水素を抽出


装置とその構成部品

ハナブサノブユキ / enraの手がけた「Primitive」

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'primitive' by nobuyuki hanabusa / enra
ハナブサノブユキ/ Enraによる「Pimitive」

Enraのディレクター、ハナブサノブユキが彼らの最新作品「Primitive」について語る。

「この新しい作品はプリミティブな有機体、微生物、ウィルスを記号化したもので、一見それらにとっては何の意味ももたないようなダイナミックな生命を我々は表現している。」

「Primitive」ビデオ著作権:Enra 2013

「Enraのパフォーマーは非常に優れた武道家、曲芸師、ダンサーであり、我々が手がける作品において各々が自らの得手を演じる。」

「ファイナルビデオはプロジェクターを通してビデオをスクーリンに映し出すことで、単純に仕上がっている。メンバーは身体の姿勢を維持し、繰り返し練習することで完璧な動きをグラフィックとシンクロしながら披露する。」
- ハナブサノブユキ

「Primitive」のスチール写真
写真著作権:Enra 2013


「Primitive」のスチール写真
写真著作権:Enra 2013


「Primitive」のスチール写真
写真著作権:Enra 2013


「Primitive」のスチール写真
写真著作権:Enra 2013

FR-EE: Fernando Romero Enterpriseの設計によるPHミュージアム

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FR-EE / fernando romero enterprise: PH museum
PHミュージアムのビジュアリゼーション - Christopher Shelleyによるレンダリングでカメラ力学を引用した形態

FR-EEによる「PHミュージアム」は写真術や写真器材を展示するためにデザインされた文化施設で、砂漠地帯に計画されたこのミュージアムの巨大なキャノピーは、水や植物が存在する屋外パブリックエリアの日除けとして機能する。

カメラ技法に影響を受けたこのミュージアムの空間構成は、複雑なカメラレンズを模倣している。プログラムは建物の中心から放射線状に計画され、またこれらの空間が螺旋状の傾斜路によって空間の連続性を強調するように繋がっている。

ファサードは外側に大きく開いた鉄骨造と地産石の薄いパネル張りからなり、複雑な六角形の模様のイスラム様式のモチーフを表現している。石製パネルの孔がメインロビーに自然光を注ぎ、空間に表情を与える格子状の影を作り出す。環境条件の細心の制御が不可欠なエキシビションスペースではファサードの口径を縮小させている。

 

プロジェクト情報
用途: 文化施設
面積: 3800 m2
設計期間: 2012

 
チーム
Fernando Romero
Sergio Rebelo
Antonia Wai
Ryan Kukuraitis
Fernando Torres
Yimin Yang
Luying Guo
Kai Liao
aAex Middleton

Galerie Paris-BeijingにてLiu Bolin扮する透明人間が展示中

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invisible man liu bolin at galerie paris-beijing
Liu Bolin: 「hiding in the city」
Galerie Paris-Beijing、パリ
2013年3月9日まで開催

Galerie Paris-BeijingにてLiu Bolinの帰還展を行なっている。氏のプロジェクト「hiding in the city」の一部としてカモフラージュ・フォトパフォーマンスの新しいシリーズが含まれている。この中国人アーティストは完全に自分自身を隠すことで、自らを中国やパリでの風景に同調させている。だが彼の輪郭が生むイメージの中のかすかな途絶が見え隠れする。Bolinはフォトショップを使わずにこのイメージを完成させるため、彫刻からボディアート、パフォーマンスから写真までありとあらゆ技法を用い、並外れた騙し絵を完成させるために何時間も静止するモデルを演じることが可能だ。

Bolinの「Invisible Photography」の作品を参照する場合はこちら。


「Green Food」


「Family Photo」


「Beijing Magazine」


「Graffiti in Beijing No. 2」


「Art Paris」

Florian Busch Architectsが設計した「内にひらく家」

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florian busch architects: house that opens up to its inside
Florian Busch Architectsが設計した「内にひらく家」、千葉県
写真提供:Florian Busch Architects

郊外の住宅建設の90%近くを請け負う多々の工務店に対して競合可能なローコスト住宅の設計を、とある地元の工務店が依頼した。ケーススタディとしてこの「内にひらく家」は、いかなる環境の下でも芽生えうる住宅の原型に新しい展望を与える。床面積の最大限の獲得のために敷地ギリギリまで住宅を建てることで生じる郊外地域の密集といった増大する問題の中で、庭というものが空間の隙間の不必要な又は無視された断片を埋める付け足しのような存在となっている。そこで日本に拠点を置くFlorian Busch Architectsは、庭空間を共有する交互に重なる2つのU字型のボリュームによって囲まれた中央の中庭をもつ未来の住宅を考えた。将来確実に敷地を可能な限り利用しようとする近隣建物への模範として、このケーススタディではまずそのパラメーターを設定し、領域を守る。そして内部エリアの空隙を利用した開放的かつ私的なオアシスが、住宅全体に新鮮な空気を行き渡るようにする。また反対向きに重ねられた固まりは、1階のエレベーションに変化をもたらす空間のシークエンスを通じて、庭の周囲にダイナミックな動線を築く。


近隣の空き地からの眺め


庭が見える上部のボリュームの下に設けられた玄関


中央に設けられた中庭


庭を見たところ


自然木の階段


キッチンとダイニングルーム

腰掛けることの可能な階段の向こうはさらに縦空間が広がる


キャプション


カーテンが示唆するプライバシーの域


ベッドルーム


中央の中庭


無垢材のファサード


平面図 / 1階


平面図 / 2階


断面図


断面図


立面図


立面図


コンセプトダイアグラム


模型

プロジェクト情報:
プロジェクトチーム: Florian Busch Architects: フロリアン・ブッシュ、宮崎佐知子、山脇ももよ
構造担当: ASA (鈴木啓、木村洋介)
テキスタイルデザイン: 安東陽子
施工担当: 須藤建設、千葉県
施主須藤建設、千葉県
延べ床面積: 140m² + 12m² テラス
構造: 木造

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