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2012年ヴェネチア建築ビエンナーレの日本館

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japan12.jpegのサムネール画像
左から右へ;建築家の乾久美子、平田晃久、コミッショナーを務める伊東豊雄、藤本壮介
写真著作権:designboom

コミッショナーを務める伊東豊雄が日本の若手建築家、乾久美子藤本壮介平田晃久と「みんなの家」を発表。ヴェネチアで開催される2012年国際建築ビエンナーレのGiardini展示会場に出展されるこのプロジェクトは、昨年起きた東日本大震災の際に特に陸前高田市で家を失った全ての人たちに対する住宅のプロポーザルである。

プロジェクト「ここに、建築は、可能か?みんなの家」では、現在復興中の被災地の状況のもとで建築の美しさや形式に対する定義の再評価しながら、近代における建築に対して問いかけている。材木の上に展示された様々な可能性のあるプロジェクト。素っ気ない木柱があたかも下部の開放的な中庭からパビリオンを支持しているかのように見える。そして垂直に伸びる何本もの柱の間に固定された各住居のスキームが並ぶ。津波に襲われた後の陸前高田市の引き延ばされたパノラマ写真が、展示場の背景を構成する。

コミッショナーによるこのパビリオンの背景にあるコンセプトの説明:
「「みんなの家」のひとつの特徴は、施設の作り方や集まって住む方法を設計と建設プロセスにおいてみんなで集まって話し合いました。例えばなぜ建物が必要なのか、誰のためにといったことなど忘れ去られていたことを問いかけてきました。しかし全てが消失した被災地が我々に与えてくれたのは、新鮮な眼差しで、一体建築とは何なのかゼロから見直す機会だったのです。」


2012年ヴェネチア建築ビエンナーレのための伊東豊雄のコミッションによる「ここに、建築は可能か?みんなの家」
写真著作権:designboom


材木の上に展示された模型やデジタルメディア
写真著作権:designboom


住宅のプロポーザル
写真著作権:designboom


立体的な柱と梁のグリッドをベースにした住宅のプロポーザル
写真著作権:designboom


住宅のプロポーザル
写真著作権:designboom

「強い風が吹くような場所のために考えられた壁で囲まれた砦のような構造。様々な利用法が丸太を組んで構成されるほとんど地形の表面のようなところに想定される。」


プロポーザル
写真著作権:designboom


藁葺き屋根のアメリカ先住民のテントのような案
写真著作権:designboom


写真著作権:designboom


住宅のプロポーザル
写真著作権:designboom


写真著作権:designboom


床面を突き抜ける中央の柱
写真著作権:designboom


写真著作権:designboom


ヴェネチア建築ビエンナーレ2012でのZaha Hadidの作品

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ヴェネチア建築ビエンナーレ2012でのZaha Hadidの作品
写真提供:Zaha Hadid Architects

ロンドンに拠点を置く建築事務所、Zaha Hadid Architectsが今年開催されるヴェネチア建築ビエンナーレで発表する作品。Chipperfieldによるテーマ「Common Ground」をふまえながら、ロシアの初期の幾何学的抽象家運動に由来して生まれた作品を、事務所が行なった歴史的要素の研究と共に展示する。

彼らの建築はアルゴリズム的な形式生成、形態を引き出すためのマテリアルの構造を用いたドイツ人建築家兼構造エンジニアのFrei Ottoによって完成した有機的な作品への理解と統合から発展した。Frei Ottoの作法を敷衍しつつ、コンピュータによるデジタルシミュレーションで実演される環境及び構造的補足を含む最新技術が取り入れられている。


シェル形のスタディ

軽量のシェル形と張力構造が融合し、折り重なる金属で形をなす「Arum Shell」が、石の圧縮シェル構造の研究者、 Philippe Blockの作品と共に設置される。その他の重要な先例としてスペイン人建築家のFelix Candelaやスイス人エンジニアのHeinz Islerも含まれる。


シェル形のスタディ

デザイン: Zaha Hadid & Patrik Schumacher
エキシビションデザイン: Woody Yao, Margarita Valova
インスタレーションデザイン及びプレゼンテーション: Shajay Bhooshan, Saman Saffarian, Suryansh Chandra, Mostafa El Sayed 構造エンジニアリング:Rasti Bartek, Buro Happold, uk
素材及び製造技術: Gregory Epps, Robofold
コーディネーター: Manon Janssens
コラボレーション: 
Studio Hadid, Universität für Angewandte Kunst, Vienna: Johann Traupmann, Christian Kronaus, Mascha Veech, Robert Neumayr, Mario Gasser, Susanne John 
Blockリサーチグループ, チューリッヒ工科大学、建築テクノロジー: Philippe Block, Matthias Rippmann
チューリッヒ工科大学建築学科: Toni Kotnik
Centro de Investigaciones y Estudios de Posgrado, 建築学科, メキシコ: Juan Ignacio del Cueto Ruiz-Funes

第13回国際建築ビエンナーレではロンドンに拠点を置く建築家、David Chipperfieldがキュレーターを務める。今回のイベントのテーマは「Common Ground」で、2012年8月29日より11月25日までヴェネチアで開催予定。

妹島和世による鶴岡文化会館改築のための最優秀案

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妹島和世建築設計事務所による「鶴岡市文化会館改築」のプロポーザル
写真著作権: 妹島和世建築設計事務所

SANAAを率いる妹島和世が鶴岡市文化会館改築のためのコンペで最優秀提案者に選ばれた。この案は敷地の起伏から延びて浮遊する軽量鉄骨構造を白い平面体が包み込むというもの。このプロポーザルに際して創造豊かな設計プロセスに地域の住民も参加した。要求されているプログラムは公平にアクセス可能なように全てワンフロアに配置され、オーディトリアムを中心として自然に流れるような動線を確保するように計画されている。いくつかの翼棟が既存の歴史的建築物と鶴岡市の特色を保存するように計画建物の中心から延びている。

敷地内で地下水を貯蔵し再利用する他、自然換気を作り出すように配置された通路を含む内部空間を地中の貯水槽が自然に冷やしたり温めたりする仕組みとなっている。コンクリートの代わりに、既存の緑の丘を強調するためにガラス材が用いられている。また主要空間内での騒音をなるべく軽減するために、そしてメインテナンスの簡易化のために電気室、機械室、及び発電室は付随の建物に収められている。


(左)劇場
(真ん中)エントランス
(右)外観

写真著作権:妹島和世建築設計事務所


敷地図
写真著作権:妹島和世建築設計事務所


平面図/1階
写真著作権:妹島和世建築設計事務所


平面図/2階
写真著作権:妹島和世建築設計事務所


写真著作権:妹島和世建築設計事務所

多彩な糸で構築される彫刻 - Gabriel Daweによる「Plexus」

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Gabriel Daweによる「Plexus 12」
写真著作権:Carlos Aleman

メキシコ生まれのアーティスト、Gabriel daweが創り出すサイトスペシフィックなインスタレーションシリーズ「Plexus」に新しい作品が加わり、その写真がdesignboomに届いた。もともとグラフィックデザイナーとして修行を積んだDaweは、ファッションと建築のつながり及び彼の母国で普遍的に存在する男性による裁縫への自己顕示欲に対する彼の関心の延長と交点としての作品を生み出している。
主にテキスタイルの媒体の探求に注目するDaweは、衒学的強迫観念の形式を習得するために「Plexus」というシリーズで何千ものカラフルな糸を組み合わせてきらきらと輝く彫刻を構築する。

現在進行中のプロジェクトは変形した多様で繊細な色とりどりの大作で、エントランスホールをねじれながら横切り、2層分の高さのあるギャラリー空間を滝のように流れ落ちていく。この綿密な構造はモニュメント的であり、きちんと配列された多彩色によって不意にもたらされる視覚的な錯覚効果を生み出している。これらの作品はDaweのその他の規範に対する探求を反映するのみならず、千変万化でありながら共有される人間的要素のアイデンティティに対して言及しながらテキスタイル分野にまつわる男らしさの概念を覆すものである。

作品に関してDaweからの説明は以下の通り:
「これらのインスタレーションは人間が必要とするシェルターと同様に男性の究極の弱さに関係しています。ファッションと建築の共通項のひとつに個人を保護するという機能がそれらにはあります。衣服の主な成分である縫い糸を用い、それによって建築的構造体を生み出すことで、もはや身体の素材の必要性は保護しないが、代わりに人類が種として生き残るのに必要な非物理的な構造体の象徴である何かを生み出す新しい構築を具現化するためにスケールと素材が逆転します。」


「Plexus 12」
写真著作権:Carlos Aleman


「Plexus 13」
写真著作権:Matthieu Kavyrchine


「Plexus 13」
写真著作権:Matthieu Kavyrchine


「Plexus 13」
写真著作権:Matthieu Kavyrchine


'plexus 13'
photo © matthieu kavyrchine


「Plexus 13」
写真著作権:Matthieu Kavyrchine


「Plexus 13」
写真著作権:Matthieu Kavyrchine


「Plexus 13」
写真著作権:Matthieu Kavyrchine


「Plexus 13」
写真著作権:Matthieu Kavyrchine


「Plexus 13」
写真提供:アーティスト


「Plexus 14」
写真著作権:Matthieu Kavyrchine


「Plexus 14」
写真著作権:Matthieu Kavyrchine


「Plexus 15」
写真提供:アーティスト


「Plexus 15」
写真提供:アーティスト


アーティストが「Plexus C2」を設置しているところ
写真著作権:Gretchen Wustrack


「Plexus C2」のディテール
写真著作権:Gretchen Wustrack


「Plexus C2」
写真著作権:Gretchen Wustrack


「Plexus C2」
写真著作権:Gretchen Wustrack


「Plexus C2」
写真著作権:Gretchen Wustrack


「Plexus C2」
写真著作権:Gretchen Wustrack


「Plexus C2」
写真著作権:G
retchen Wustrack

「Plexus C2」とアーティスト
写真著作権:Gretchen Wustrack

SOA: Urbanana

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SOAアーキテクツによるパリの「Urbanana」
写真提供:SOA

2012年、フランスの建築事務所、SOAが急成長する都市環境における農業の革新への研究と実現のためにAgricultural Urbanism Lab(LUA)を設立。2棟の住居ビルの間に固定された「Urbanana」は、もはやヨーロッパでは見られなくなった種も含めてバナナ科の栽培に充てた室内菜園である。地上1階には廃棄物管理とエキシビションエリアが設けられている。日光と季節のサイクルを通して成長する植物なので、内部は最大の室内容積と太陽光を利用するために従来のフローリングシステムは排除され、それぞれの部門への行き来に必要最小限の橋が架けられている。金属製の枠組構造は巨大な温室のような大規模なヴォイドを覆う内部構造から切り離された透明なカーテンウォールを支持している。


上空から見たところ


人工光


内部の橋


断面パースペクティブ


(左)敷地図
(右)高さを示すダイアグラム


(左)空間ダイアグラム
(右)栽培を表すダイアグラム

Aerofexによる空飛ぶホバークラフト・バイク

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Aerofexによるスターウォーズのような空飛ぶ高速浮遊バイク
写真提供:Aerofex

カリフォルニアに拠点を置くエンジニア会社、Aerofexがこのほど、スターウォーズに影響を受けて「Flying Speeder Bike」なるものを発明した。空中に浮くこの乗り物はより人間工学的な騎乗位置である縦に並んだダクトの上部に操縦士が座ることで、積極的かつ人為的な安定操作を必要とせず、公平にバランスを取ることができる。巧みな機械操作システムが操縦士の動きを追跡し、乗り物の機能を空気力学的に制御するユニークなインターフェースを実装。それにより効率性が促進され、また転倒を防ぐ。


バイクが飛んでいる様子


飛んでいるバイク


横からの眺め

David Machがマッチ棒やコート用ハンガー、トランプで作り出すオブジェ

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David Machにる「Matchead」 シリーズのひとつ「Picasso」、2007年作

スコットランド出身のアーティスト、David Machはマッチ棒やコート用ハンガー、ハガキ等ありふれたモノを注意深く扱いながら巨大なスケールをもつインスタレーションを作り上げる。今回、Machがdesignboomに彼の最新作品であるコート用ハンガーを何百個も重ねてまるで本当に生きているかのような「Tiger」の写真を送ってきてくれた。この作品はジェノバのOpera Galleryで展示される予定。

Machはまた、ごく平凡なモノを注意深く構成することが必要な多数の作品を作ってきた。その中の最も特徴的な作品は「Matcheads」シリーズで、色の着いたマッチの先を使って彼自身が想像する様々な肖像を立体的な作品に仕上げる。同じ作品領域に属する「The Devil」と「Jesus」は、エジンバラのGalway Arts Festivalで行なわれた彼の最近のエキシビション「Precious Light」で、点火され、燃え尽きた。その他の作品にはスヌーピーやマリリン・モンローといった有名なアイコンを表現するために大量に集められたカードを理路整然と並べて作り出す「Postcard」シリーズなどがある。


「チャップリン」、2009年作


「ベティ・ブープ」


「ガンジー」、2008年作


「Devil」、2011年作


「Devil」を構成するマッチ棒が燃えている様子


コート用ハンガーで作られた「Tiger」、2012年作はジェノバで展示される予定


アーティストのスタジオに置いてある「Tiger」


「Cheetah」と「Ttiger」


「Layed Back」、 2012年作


クリスマスカードで作られた「Love」、2012年作


「Golgotha」、2011年作

Damien Hirstがロンドンオリンピック2012の閉会式のためにユニオンジャックをデザイン

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Damien Hirstのデザインしたロンドンオリンピック閉会式のための旗 

写真:via

イギリスの最も重要なアーティストの一人、Damien Hirstは目映い光のシーンが炸裂するロンドンオリンピック2012の閉会式の一部として独自に解釈したユニオンジャックのひとつをデザインすることを依頼された。彼の作品の特徴でもあるスピンペインティングによって赤、白、青の炸裂するモチーフを描いた作品が、Wonderwallを演奏するOasisのLiam Gallagherや再結成したSpice Girls、ヒット曲「always look on the bright side of life」を観客と一緒に歌うため現れたMonty Pythonを代表するEric Idleといったイギリスの有名人たちに見守られて登場。


写真:via


写真:via


写真via


写真:via


写真:via


写真:via


Fritz Panzerのつくる立体的なワイヤー製オブジェ

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Fritz Panzerによるエキシビション「Doubles」の展示作品の一つ「Car Culture」
写真著作権:Alberta Pane Gallery

Fritz Panzer: エキシビション「Doubles」
 パリ、Alberta Pane Gallery
9月8日から10月20日まで開催

オーストリア人アーティスト、Fritz Panzerによるワイヤーでできた実寸大のオブジェがパリのAlberta Pane Galleryで行なわれるエキシビション「Doubles」で展示される。この作品は手書きによる輪郭図を参考にしており、だんだんと消散していくように見えるクモの糸のような輪郭によってボリュームをつくっている。この作品シリーズを見ることはほとんど霊妙といった体験であり、見る人が部分的に記憶と認識を頼りに彼らなりの作品への理解を完成させることを求めている。


「Pianino」、2010年作
wire sculptureワイヤー製オブジェ
写真著作権:Alberta Pane Gallery


「Sessel」、2011年作
写真著作権:Alberta Pane Gallery


「Untitled」
写真著作権:Alberta Pane Gallery


「Untitled」/「Koffer」、2006年作
ワイヤー製オブジェ
写真著作権:W. Woessner

Jonpasangによるヴァーティカル・キネティック・ランドスケープ「Hyper-Matrix」

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Jonpasangによるヴァーティカル・キネティック・ランドスケープ「Hyper-Matrix」

ソウルに拠点を置くメディアアート集団、Jonpasangが韓国で行なわれるHyundai ヒュンダイ・モーターグループ・エキシビションのパビリオンのためのインスタレーション、ヴァーティカル・キネティック・ランドスケープ「Hyper-Matrix」を制作した。このインスタレーションは建物の内壁の表面を飾る何千個もの30x30cmの立方体で構成されている。各々の個体をコントロールするステッピングモーターを支えるために特別に鋼製の基礎が開発された。

数々の軽量のブロックが構造体の表面より突き出て、事実上無限に様々な輪郭をつくる。ピクセルが室内に飛び出すと、サウンドが傍観者と周囲の空間との間のインタラクションの壮大な感覚を呼び起こす。会場を横切って波紋が起こると、今度はデジタルマッピングが表面に現れ、高度なビジュアルパフォーマンスが繰り広げられる。


Hyper-Matrix インスタレーション


立方体のディテール


インスタレーションの背後の様子


キューブの動きをコントロールする固定されたステッピングモーター


インスタレーションのためのプロジェクター

Luca Schieppatiによる「Ciclotte Exercise Bike」

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Luca Schieppatiによる「Ciclotte Exercise Bike」 - 横からみたところ

ミラノ出身のデザイナー、Luca Schieppatiによって開発されたこのエクササイズ用の自転車には、伝統的なサイクリングの美学を再思考したアイデアと形態と技術が集結している。カーボン、スチール、ファイバーガラスといった素材を使って製造されたこのパーソナル・ワークアウトシステムはユニークなエビサイクロイドトランスミッションシステムを取り入れている。Maison Et Objet 2012では、デザインを日常生活に組み込んで、居住空間においてエクササイズとエンターテイメントがひとつの次元を共有するといったコンセプトが紹介された。

人間工学的なポジションは、エクササイズ中の最大限の快適性を実現すべく生まれた。1800年代後半に出現した一輪車を思い起こさせるような大きな車輪に影響を受けた「Ciclotte」は加えて、カーボン製ハンドル、タッチスクリーンディスプレイを含む数々の特徴をもっている。この自転車はオンロードでのサイクリングのような運動性とパフォーマンスを再生産し、回転のような非常に激しいエアロビクスのトレーニングには最適である。


斜めから見たところ


後ろ


ペダルと仕組みのディテール


Luca Schieppatiによる「Ciclotte Exercise Bike」

杉本博司によるエルメスのための「Polaroid Carrés」

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スイスのバーゼルで行なわれたエキシビション「Couleurs de L’ombre」の一部、杉本博司によるエルメスのための新しいスカーフのインスタレーション
写真著作権:Tadzi
写真提供:Hermès

世界的に有名な写真家の杉本博司が、エキシビション「Couleurs de L'ombre」の一部として、エルメスのために、140枚の限定スカーフを制作した。それぞれの作品は、Carrésとして知られる有名な正方形のスカーフをリデザインしたもの。

各スカーフの印象的な美しいグラデーションには、写真家が注目するポラロイド写真のコンプレックス・プリズマティック・システムを利用している。このシステムは早朝に最初に届く太陽の光線を捉えたもの。

10年間の研究からこの印象的な色のスペクトルが生まれた。それを杉本はエルメスのスカーフに変換した。そのコレクションは、鮮明な黄色や燦然たる赤から濃厚な緑や青といった色調を、堂々と表現している。このプロジェクトを通して、色には7種類しかないという意見を覆そうとしたり、「科学は特定の属性を確認したとき、常に全体的なものを小さな片に切り刻む必要が果たしてあるのか」といった疑問を投げかけることで、杉本は彼の良く知られる重たい色調のイメージから脱したのである。ここにそのプロセスを追ったビデオがある。

バーゼル(スイス)のMuseum der Kulturenでの初披露にあたって、エルメスのアートディレクター、Pierre-Alexis Dumasが杉本のポラロイドイメージから選んだ20種類の作品がプリントされた。このインスタレーションは、ブリュッセルのLa Verrièreにて、9月29日まで展示され、その後、11月14日から12月30日まで、東京、銀座のフラッグシップギャラリーの8階にあるLe Forumにて公開される予定。


写真著作権:Tadzio
写真提供:Hermès


このプロジェクトはポラロイド写真のコンプレックス・プリズマティック・システムに関する10年間に及ぶ研究であった
写真提供:Hermès


写真提供:Hermès


写真提供:Hermès


写真提供:Hermès


写真提供:Hermès


写真提供:Hermès



エルメスのアートディレクター、Pierre-Alexis Dumasが自ら選ぶ、20種類の杉本のポラロイドイメージ
写真提供:Hermès


杉本博司
写真提供:Hermès


写真家とその作品
写真著作権:Tadzio
写真提供:Hermès


Carréで有名なスカーフ、コレクションより
写真提供:Hermès


シルクに転写されたポラロイド写真
写真提供:Hermès


様々な際立つ色のグラデーションが研究から生まれた
写真提供:Hermès

Nendoによるロンドンのビクトリア&アルバート国立博物館でのインスタレーション「Mimicry Chair」

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Nendoによる「Mimicry Chairs」
写真著作権:阿野太一

デザインスタジオ、Nendoがパンチングメタルにプレス加工を施し、白く塗装し透明な美しさを出した「Mimicry Chairs」のコレクションを制作した。このプロジェクトでは、1つの白い椅子を10種類の異なる方法で再解釈し、増殖させている。これらの作品は 2012年ロンドンデザインフェスティバルの期間中、ビクトリア&アルバート国立博物館の10ヶ所の場所に配置された。最初のインスタレーションは、博物館の正面エントランス。その後、椅子のインスタレーションは博物館のあちこちで続く。ギャラリー、階段、廊下などに配置された各椅子は、配置されている場所にまるで呼応し、擬態化していくかのように注意深くデザインされている。そして椅子のオブジェクトがその環境と共有する関係性を詩趣豊かに伝えている。


パンチングメタルにプレス加工を施し、白く塗装し透明な美しさを出した椅子
写真著作権:阿野太一


このプロジェクトのアイデアは、1つの白い椅子を10種類の異なる方法で再解釈し、増殖させることである。
写真著作権:阿野太一


ビデオ著作権: CraneTV Video Magazine


この作品シリーズはビクトリア&アルバート国立博物館の様々な場所に現れる
写真著作権:阿野太一


このインスタレーションは2012年ロンドンデザインフェスティバルの期間中、公開された
写真著作権:阿野太一


最初の配置場所は博物館の正面エントランス
写真著作権:阿野太一


椅子のオブジェクトがその環境と共有する関係性を詩趣豊かに伝える
写真著作権:阿野太一


各椅子は、配置されている場所にまるで呼応し、擬態化していくかのように注意深くデザインされている
写真著作権:阿野太一


積み重ねたような構成の椅子
写真著作権:阿野太一


椅子はギャラリー、階段、廊下などあちこち配置される
写真著作権:阿野太一


天井から吊り下げた椅子
写真著作権:阿野太一


来場者は博物館の至るところでこのインスタレーションを体験することができる
写真著作権:阿野太一

藤本壮介のスケッチブック:ラース・ミュラーより出版

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最近出版された複製本と自分のスケッチブックを見比べる建築家の藤本壮介、designboomとの対談にて
写真著作権:designboom,著者: 藤本壮介,出版: ラース・ミュラー出版,初出版: 212年,サイズ: 240ページ、13 x 21 cm,ISBN978-3-03778-327-6

http://www.lars-mueller-publishers.com

「描く線は常に不確かで、次の線がどこにつながるか、知る由もない。しかし、描き続けていると、何か新しいものが必ず見えてくる。そして脳、目、手、紙、空間の無限のダイアローグから新しい建築は生まれる。」

建築家、藤本壮介

内容
建築家、藤本壮介のスケッチブックの複写であるこの本を眺めると、未編集の彼の思い、手、思考のプロセスに近づくことができる。小さなページナンバーが、拾い読みしやすいように振ってある。後ろのほうには、著者が「自身との対話」として、スケッチとの関係性、彼の受けた影響について説明するページが挿入されている。各ページと関係のあるプロジェクトのインデックスもついている。この完全に複写した本は、いわば、創造のプロセスの絵図である。

designboomは建築家との対談で、この本について、また建築界でのその重要性についてディスカッションを行なった。

 藤本壮介のスケッチブックのリリースは、Wang Shuの「Imagining The House」(いずれもラース・ミュラーの出版)との共同サイン会で行なわれた。それは2012年ヴェネチア建築ビエンナーレのスイスパビリオンでのことだった。このパビリオンに関してはdesignboomでも紹介している。

「Imagining The House」に関するdesignboom内の記事はこちら

この本をぼくに?

この本は、建築家自身に捧げられる。アイデア、コンセプト、所作、表現のスケッチのみで、第三者による語りや説明は一切ない。いくつかのハンドドローイングに見られる持続した興味やデザイン方針は、非常に貴重な内容を評価するために、自分自身を導く建築家の思考の旅において絶対不可欠なものである。


自身のスケッチブックについて説明する藤本壮介
ビデオ著作権:designboom


藤本壮介とオリジナルのスケッチブック
写真著作権:designboom


建築家による短い説明とインデックス
写真著作権:designboom


写真著作権;designboom


写真著作権:designboom


写真著作権:designboom


写真著作権:designboom


写真著作権:designboom


写真著作権:designboom


左)自分のスケッチブックと複製本を比較する藤本壮介
右)designboomのために特別版にサインする著者
写真著作権:designboom

写真著作権:designboom


カバー
写真著作権:designboom


カバー
写真著作権:designboom

Tauba Auerbachによる「RGB Colorspace Atlas」

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Tauba Auerbachによる「RGB Colorspace Atlas」
写真撮影;Brittany Schall

アメリカ人アーティスト、Tauba AuerbachがページごとにRGBの色彩の配合を施して、8 x 8 x 8インチの立方体のハードカバー付き見本帳をつくった。エアブラシで仕上げた布製の表紙及び本の小口とデジタルオフセットでプリントした紙によって現存する全ての色を色彩豊かに表現している。特別な製本はアーティスト自身がDaniel E. Kelmとのコラボレーションによってデザインし、またLeah Hughesの協力を得て個人製本所、Wide Awake Garageが印刷を担当。


8x8x8インチの立方体


それぞれの本が異なるRGBの色彩配合を表現


大量のページがカラーパレットから抜粋した配色を展開


本のように開いた全ての色を含む鮮やかな立方体

アニメーションによるプロジェクトの紹介


サグラダファミリアにてMoment Factoryが繰り広げるプロジェクション

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バルセロナのアントニオ・ガウディ作のサグラダ・ファミリアのファサードに初のマルチメディアプロジェクション「Ode à la Vie」が実現
写真著作権:Moment Factory

3万2千人の見守る中、バルセロナのアントニオ・ガウディによるサグラダ・ファミリアで初のマルチメディアプロジェクションが繰り広げられた。モントリオールに拠点を置くデザインスタジオ、Moment Factoryによるプロジェクトだ。再生と希望の物語を描いたこの大規模な作品、「Ode à la Vie」が、大聖堂の独特で複雑なファサードに投影され、宇宙の創造の比喩的な解釈を表現している。作品は、色彩を「生命の本質」と唱えたこの有名な建築家のオリジナルのカラースケッチを参考にしている。

15分間の建築マッッピングディスプレイが、色と光と音から生まれた生きたフレスコを映す。壮観なショーを高揚させるクラッシックかつエレクトリカルなサウンドトラックは、Anthony rozankovic (1から5) とMisteur Valaire (6と7)が担当。世界で最も有名な教会のひとつであるサグラダ・ファミリアのファサードが意欲的なデジタルアートワークによって変容する。またこのファサードの質感溢れるディテールの特性から、マッピングが今までのプロジェクトよりさらに複雑であることがわかるだろう。このショーでは16台のビデオプロジェクター、13台のコンピューター、25台の可動式照明を使用する。大勢からなるチームがショーの音、光、ビデオエレメントの制御ために、独自のX-アゴラソフトウェアプラットフォームを駆使し、完成まで4ヶ月を要した。


プロジェクションの様子
ビデオ著作権:Moment Factory


プロジェクションを見つめる32, 000人の観客
写真著作権:Moment Factory


巨大なスケールのこの作品は再生と希望の物語である
写真著作権:Moment Factory


ビジュアルと共に繰り広げるクラッシックでエレクトリカルなサウンドトラックはAnthony Rozankovic (1から5まで) とMisteur Valaire (6と7)が手がけた。 
写真著作権:Moment Factory


サグラダ・ファミリアの質感のあるファサードが今までのプロジェクトより複雑な作品であることを示している
写真著作権:Moment Factory


ファサードが音と色と光によって生命を吹き込まれる
写真著作権:Moment Factory

プロジェクト情報:
エグゼクティブプロデューサー:
 Éric Fournier
プロデューサー: Johanna Marsal
マルチメディアディレクター:
 Nelson de Robles
脚本家:
 Mareike Lenhart
クリエイティブディレクター:
 Sakchin Bessette
テクノロジーディレクター: Dominic Audet
クリエイティブコラボレーター: Dominic ChampagneとBrigitte Poupart
オリジナル曲:
 Anthony RozankovicとMisteur Valaire
照明専門家: Dominic Lemieux
オリジナルアイデア: J
acques Renaud (Renaud - Architecture d’Événements)

Patrick Hylandによるレトロフィット可能な車椅子

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Patrick Hylandによるレトロフィット可能な車椅子

ロンドンに拠点を置くデザイナー、Patrick Hylandによって生まれた「Synergise」は、車椅子使用者が通常直面している問題の「上ぞりの車輪面」を調整する機械式システムである。前方突進の傾向にある車椅子の車輪面は、重力で道路に向って反れて行ってしまう。車椅子利用者は、片方にブレーキをかけ、もう片方を進ませなければならない。すると勢いがついて、増加する摩擦が余計なエネルギー消費に結びつく。

これら全ての物理的問題は、健常者が同距離を移動するのと比較すると、ある距離を移動するのに2倍のエネルギーを要する。安定した「Synergise」では、車椅子利用者による摩擦の軽減とユーザーの RSI(反復運動過多損傷)のリスクの軽減による持久力の高効率化を図りながらの、車輪面のコントロールが可能だ。


ハンドルのディテール


部品


ディテール


コンポーネントのレンダリングイメージ


スケッチ


スケッチ

Marco Cianfanelliによるネルソン・マンデラのモニュメント

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ネルソン・マンデラが逮捕されたナタール・ミッドランドの地に建つMarco Cianfanelliによるナショナルモニュメント、2012年製作
写真提供:Marco Cianfanelli /Jonathan Burton

南アフリカ出身のアーティスト、Marco Cianfanelliが、平和活動家で政治家のネルソン・マンデラが1962年にアパルトヘイトの警察に逮捕されてから50年目の記憶としてモニュメントを制作した。6.5mの幅、9mの高さのマンデラの横顔が、コンクリートを打った地面にアンカー留めされた50本の鋼柱によってが描かれている。この彫刻のフォルムは、この指導者の27年に渡る平等の権利への努力とかつて人種差別によって国民を分離した政府をを象徴している。このノーベル賞受賞者のモニュメントは南アフリカの地方都市、ダーバンから南へ90kmの街、ホーウィックに建てられた。

Cianfanelliは自らの作品について次のように語る。「これはマンデラの逮捕の象徴性を通じて、苦闘において獲得された勢力を表現している。50本の柱が彼の逮捕から50年を表すと同時に、多数の人からなる全体像、すなわち一致団結を示している。これはマンデラの投獄という政治行為が、皮肉にも彼の社会的地位を努力の象徴として確立したことを示唆している。そしてこの事件が政変と民主化を実現するための抵抗、団結、反乱のうねりをかき立てるきっかけにもなった。」


離れてみたところ
写真提供:
Visual News


写真提供:Marco Cianfanelli /Jonathan Burton


写真提供:Marco Cianfanelli /Jonathan Burton


インストラクションを横からみたところ
写真提供:Visual News


左:塗装と設置前の切り出された金属部材
右:設置工事
写真提供:Visual News


部材のひとつ、でこぼこしたエッジのディテール
写真提供:Marco Cianfanelli /Jonathan Burton


モニュメント
写真著作権:Brendan Copestake

レンゾ・ピアノによるオスロの「Astrup Fearnley Museet」

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ノルウェーのオスロに建てられたレンゾ・ピアノ・ビルディング・ワークショップによる「Astrup Fearnley Museet」
写真提供:Astrup Fearnley Museet

ジェノバに拠点を置く建築事務所、レンゾ・ピアノ・ビルディング・ワークショップによる現代芸術美術館、「Astrup Fearnley Museet」がオスロで一般公開された。フィヨルドの湾岸に沿って建てられたこの美術館は、ウォーターフロントの敷地を運河が通れるように半分に分断されている。木製の外壁が二重の曲線を描くガラスルーフに覆われており、そのガラス屋根は3本の細い形の部材がさらにヴォイドの向こうまで伸びている。そして視覚的に分かれている3つの建物を繋げている。橋によって来場者は内外部エリアの行き来が可能だ。

大きいほうの建物で常設展が行なわれる。小さいほうには特別展、ショップ、カフェが併設。内部空間を横切って弓形を描き、非対称に下降していくキャノピーの傾斜が、ギャラリー内に様々な天井高を作る。また芸術作品とお互いに影響し合いながら、エキシビションのレイアウトを構成する。スレンダーな鉄骨柱と補強用の索具付きケーブルが、周辺の港湾に見られるマストに似た構造的支持の機能を果たす。また2層分の天井高をもつ空間に自然光が行き渡る。ディレクターのGunnar B Kvaranのキュレーションによる最初のエキシビション「to be with art is all we ask」では、当美術館が所蔵する過去30年における革新的な世界的アーティストのコレクションから選ばれた作品を紹介する。


美術館の俯瞰写真
写真著作権:Nic Lehoux

さらにチューヴホルメン地区を拡張する7000m2の敷地には、屋外彫刻公園と並んだ海水浴場、レストラン、ホテルが計画されている。来館者は都市の舞台装置に展示された現代アートを観賞しながら、海水浴を楽しむことも可能だ。


ウォーターフロントにある敷地のコンテクスチュアルな眺め
写真著作権:Nic Lehoux


美術館の建物を分断する敷地を流れる運河
写真著作権:Nic Lehoux


double curvature glass roof caps the wooden structure二重
写真著作権:Nic Lehoux


入り江を見たところ
写真著作権:Nic Lehoux


アーチ形屋根によってギャラリーの形態が決まる
写真著作権:Nic Lehoux


ギャラリー
写真著作権:Nic Lehoux


ギャラリー
写真著作権:Nic Lehoux


ギャラリー
写真著作権:Nic Lehoux


現在開催中のエキシビション「to be with art is all we ask」
写真著作権:Vegard Kleven


エキシビション
写真著作権:Vegard Kleven


エキシビション
写真著作権:Vegard Kleven


エキシビション
写真著作権:Vegard Kleven


エキシビション
写真著作権:Vegard Kleven

DUSアーキテクツによる3D プリンターパビリオン「kamermaker」

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アムステルダムにDUSアーキテクツが造った「Kamermaker」
写真提供:DUSアーキテクツ

アムステルダムの中心部にオランダの建築事務所、DUSアーキテクツによる世界初の3Dプリンターパビリオンがオープンした。オランダ語で「ルームメーカー」を意味する「Kamermaker」は、6mの長さをもつコンテナを利用して造られた。この可動式ユニット部分は2.2m四方、3.5mの高さの小さな個室サイズほどの大きさだ。パビリオンの中に設置された印刷機は、このパビリオンと同じ大きさのモノまで出力できる。

周囲の風景が映るステンレスの外観はその環境と溶け合う。グリッド状に設けられた孔に小型の風車が突き刺さっており、将来的な試みと研究のためのエネルギー生産を意図している。また3Dプリントされたオブジェクトは暗闇で発光するPLAというプラスチック製フィラメントで作られる。


ガレージ式のドアが開いていよいよ仕事開始
ドアが閉まるとミラーボックスになる
写真提供:Faberashery


ファサードに設けられたグリッド状の孔にはエネルギー生産のための小型風車が取り付けられる予定
写真提供;Faberashery


小型風車
写真提供;Faberashery


周囲の環境が映るステンレス製の外壁


空間いっぱいの3Dプリンター


大きなスケールの作品


プリンターに注入される原料


パビリオン内の3Dプリンター
写真提供;Faberashery


3Dプリンター
写真提供;Faberashery


プリンターと台を上から見たところ
写真提供;Faberashery


オープニングセレモニー


風景に馴染んだパビリオン


展示されたプリンターの縮小模型

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