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Atelier Deshausの手がけた上海の「スパイラルギャラリーズ」

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atelier deshaus: spiral galleries in shanghai
Atelier Deshausによる「Spiral Gallery I+II」、中国、上海
写真著作権:Shu Hei
写真提供:Atelier Deshaus

中国の建築事務所、Atelier Deshausが設計した「スパイラルギャラリーズ」は、循環路を境に二分されて建っている。陰陽の法則を反映した対照的な双方のパビリオンは、異なる体験が可能でユニークな特性を持ち合わせながらも、堅固なコミュニケーションをお互いに保っている。より内陸に建てられた「スパイラルギャラリーI」は、2つのリボン状の螺旋を描くコンクリート構造。空間が広狭のシークエンスを描きながら根を下ろすこのギャラリーは、来館者をカーブした壁に守られた求心的な環境へと導く。その外観は敷地にどっしりと腰を据えたシンプルな形態で、ソリッドかつ平坦な構造体に見える。螺旋状の傾斜を通って屋上へと歩いて行くと、建物内部の配置計画がはっきり見えて来る。そしてその傾斜すなわち循環する通路は石段となり、建物に負の空間を作りながら中央の中庭へ下って行く。キッチン、ギャラリーエリア、スタジオ、機械室、洗面所、倉庫など内部の機能は、来館者がぐるっと出発した地点まで戻れる外部の循環路の周囲を取り巻くように、正の空間(マス)に収まっている。放射状にデザインされた木天井の桁が通路にリズムを与ることで、透明な外壁と周囲の景観に向って視線が広がる。

一方「スパイラルギャラリーII」はより外向的な雰囲気をもつ。1つめのギャラリーがいわばソリッドな塊への探求とすると、2つめはその外観的特徴が示すように空に向って建つ開放的な構造体の経験と言える。わずかに地下に埋まったコンクリートの基礎上に載っているガラスのショーケース。来場者はまず閉じた空間が周囲に巻きついたパビリオンの中心を貫く半地下の中庭へと入る。そして開いたり閉じたりする一連の空間を必然的にギャラリーの内外を縫うように巡回することで経験する。地下階は中庭に面してガラス張りとなっており、その上部のソリッドなコンクリート壁は上階を覆っている。地上階の外殻全体には透明ガラスを使用することでコンセプトを正確に反転させ、細柱の間からは敷地全体を見渡すことができる。一方中庭に面した壁面はソリッドに仕上げられている。


両方のギャラリーを上空からみたところ
写真著作権:Yao Li


スパイラルギャラリーIを上空からみたところ
写真著作権:Yao Li


樹木エリアの天然石を敷き詰めた歩道
写真著作権:Zhang Siye


写真著作権:Yao Li


屋上へ延びる石段
写真著作権:Shu He


敷地をぐるっと流れるようにカーブする厚い垂直壁
写真著作権:Shu He


屋上の通路から中庭を見下ろしたところ
写真著作権:Shu He


中庭へと広がる手前で空間を狭めるように湾曲したコンクリート壁
左写真著作権:Shu He
右写真著作権:Yao Li


(左)内なる空間
写真著作権:Pan Lingfei
(右) 内なる空間からの眺め
写真著作権:Yao Li


建物の中心に設けられたギャラリーへのエントランス
写真著作権:Yao Li


ギャラリースペースに影を落とす細いルーバー
写真著作権:Shu He


水辺からのスパイラルギャラリーIIの眺め
写真著作権:Su Shengliang


写真著作権:Shu He


写真著作権:Shu He


歩道からの眺め
写真著作権:Shu He


中央の中庭に続く外階段
写真著作権:Shu He


中庭
写真著作権:Shu He


上階ギャラリー
写真著作権:Su Shengliang


上階のギャラリースペースに続く階段
写真著作権:Su Shengliang


配置図


平面図 / 2階 : スパイラルギャラリー I


屋根伏せ図: スパイラルギャラリー I


断面図: スパイラルギャラリー I


断面図: スパイラルギャラリー I


アクソメイメージ: スパイラルギャラリー I


平面図 / 1階: スパイラルギャラリー II


平面図/ 2階: スパイラルギャラリー II


断面図: スパイラルギャラリー II


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