引き続き輸送コンテナを利用した建築に関する記事として、今回はAtelierworkshopによるホリデーハウス「Port-A-Bach」を紹介する。この建築プロトタイプは中国の杭州で造られ、最終的にニュージーランドへ送られた。
一個の輸送コンテナからなるこのコンパクトな住居では、夫婦と子供が快適に住むことができる。室内には十分な収納スペースをもつ造り付けの食器棚や棚、ステンレス製キッチン、オープンシャワー付き浴室、洗面所及びコンポスト式トイレが備わっている。また環境に優しいデザインへの取り組みを表現している。住宅内に取り付けられたファブリックパーティションシステムは建築家たちが開発したもので、住人によって大きな空間の中に小さな居室を作ることが可能だ。このバケーション用の住宅は、二段ベッド、ダブルベッドルーム、着替えコーナー、キッチン、浴室を備えている。
外壁であるスチールシェルにおいては、下に倒せる蝶番付きのサイドパネルによって生まれるデッキエリア上にキャンバス地のスクリーンが屋根を作る。これにより居住空間が屋外まで広がる。非浸食性の6つのコンクリート基礎で構成されるこの構造体は、様々な地盤状態の場所に設置が可能。
「Port-A-Bach」は永久的な土地の所有拘束を強いることのないフレキシブルで長期型滞在のための居住空間を提供する。トラックもしくはヘリコプターで輸送可能なこの住宅は、いかなる土地にも最小限の負荷で設置できる。
スチール製の輸送コンテナに収まった住宅
外壁のひとつが蝶番で取り付けられており、それを開けることで住人は内部の居住空間を屋外へ延長することが可能
輸送コンテナの開閉ドア側に装備された二段ベッド
住宅の外構のキャンバス地のスクリーンシステムが開放的な内部空間の一部を保護
二段ベッドとダブルベッド1つが装備された住宅
壁収納ベッドは居住空間に柔軟性をもたらす
左:キッチンとベッドコーナー
右:造り付けの棚で十分な収納スペースを確保
左:キッチンから奥の浴室を眺めた室内の様子
右:屋外から浴室を見たところ
オープンシャワーとコンポスト式トイレが特徴的な浴室
青々とした芝生の中の「Port-A-Bach」
平面図
断面図