世界各地に建設されたほとんどのプロジェクトは個人的な所有もしくは理由のためと言える。これら全てのプロジェクトは必ず何らかの資金力に頼っているわけだが、一般開放された公共空間は時として根本的なアイデアを表現し、インフラストラクチャーを一変させる。パブリックアーキテクチャーは本質的にそのコンテクストの域で絡み合い、また買い物に行ったり公園でくつろぐといった通り一遍の日課をこなす多くの大衆にインパクトを与える特殊な位置づけにあり、それはほぼ必然とも言える。時にはそれらは新しいアクティビティを提供するように造られたり、単に既存建造物を強調する役割を担ったりする。そういった公共空間は新しい展望や単に楽しい場所を提供する場合がある。ここでは2012年に造られた誰もが利用できる公共プロジェクトを紹介する。批評されがちだが総じてコミュニティに対して影響力のあるものを選んだ。
1. Giancarlo Mazzantiによる「Bosque de la Esperanza」
プレハブの12面体からなる700m2のキャノピー構造が特徴的なこのプロジェクトは、沈黙した単調なスラム街の背景に際立つ一群の樹木のようにデザインされた。
コロンビア、Altos de Cazucaに建つGiancarlo Mazzantiによる「Bosque de la Esperanza」
2. NEXT Architectsによる「Melkwekbridges」
アムステルダムの事務所、NEXT Architectsによる「Melkwegbridge」はKanaalsprongマスタープランの一部であるMelkwegの延長であり、Weidevenne地区とPurmerendの歴史的市街地を結ぶ。
Purmerendに誕生したNEXT Architectsによる「Melkwegbridge」
3. Roberto Ercillaによる「Mechanical Ramps」
北スペインのヴィクトリアの中心を二分し、文化的中心地に到達するRoberto Ercillaによる「Mechanical Ramps」は、街の双方を結ぶローカルコミュニティのアクセスを改善するもので、保護された断続的に変化するシークエンスを持ちながら、平坦な地面部分では外部に出入りできるように分断されている。
スペイン、ヴィクトリアのRoberto Ercillaによる「Mechanical Ramps」
4. Grant Associatesによる「Bay South - Gardens by the Bays」
冷涼な温室「フラワードーム」や「クラウドフォレスト」、金色の庭園、銀色の庭園や「スーパーツリーグローブ」にそびえ立つに建つ「スーパーツリーズ」、遺産庭園、植物界、トンボとカワセミの飛び交う湖などが目を引く理想郷的植物園。変化する花々の展示、光とサウンドを演出したショー、メディアが植物の物語に生命を与える。またレストランやショッピング施設も充実している。
Grant Associates + Wilkinson Eyreによる「Bay South - Gardens by the Bay」、シンガポール、マリーナベイ
5. Ole Scheerenによる「Floating Cinema」
太平洋にそびえ立つ岩が並ぶドラマチックな景観に囲まれ、観る者は自然と映像の織り成す雰囲気溢れる物語の収束を経験する。大洋と空の間に広がる暗闇に光とサウンド、そしてストーリーの根源的な概念が存在する。
Ole Scheerenによる「Archipelago Cinema」、タイ
6. Santiago Calatravaによる「Peace Bridge in Calgary, Canada」
ガラス屋根で覆われた全長126mのシングルスパンの螺旋状の歩道橋がなだらかにカーブしながら水面を横切る。ダウンタウン地区のプリンス島公園に隣接するこの構造体は都市の中心とメモリアルドライブを繋ぐルートを歩行者及び自転車利用者のために提供する。
カナダ、カルガリーのSantiago Calatravaによる「Peace Bridge」
7. BIG Architects, Topotek1 + Superflexによる「Superkilen Urban Park」
「Superkilen」は1kmに渡る長い公園で、コペンハーゲンの市の中心のちょうど北にあるNørrebroエリアを通って位置する。60以上もの異国籍者が住むデンマークの首都における最も多民族で社会的な問題を抱える近隣地区でのプロジェクト。
BIG Architects, Topotek1, Superflexによる「Supekilen」デンマーク、コペンハーゲン
8. Visiondivisionによる「Chop Stick」
Viriginia B. Fairbanks Art & Nature Parkの100エーカーの敷地内にIndianapolis Museum of Artから場内スタンドの建設を依頼されたスウェーデンの建築事務所、Visiondivision(Anders BerenssonとUlf Mejergren)は、「Chop Stick」を造った。これは何か新しいものを生み出すには何かを犠牲にしなければならないといった普遍的な概念をもとにデザインされた。
VisiondivisionによるIndianapolis Museum of Artの場内スタンド「Chop Stick」
9. Salto Architectsによる「170 Foot Trampoline」
ロシアのArchstoyanie フェスティバルのためにエストニアの建築事務所、Saltoが計画したこの170フィートの長いトランポリン「Fast Track」は、公園計画における不可欠な要素として機能する。道の挿入として表現されたこのプロジェクトは、周囲の環境を無視した技術面及び機能面に重点をおかれがちな一般的なインフラストラクチャーの概念に対する挑戦である。
Salto Architectsによるロシアの170フィートの長さをもつトランポリン「Fast Track」
10. 「サラエボのFestina Lente Bridge」
デザイナーのAdnan Alagic, Bojan Kanlic, Amila Hrusticによってデザインされたこの陸橋は、 現世界と精神世界の融合と左右のバランスを確立することを基本的アイデアとしている。明確な配置計画とゲートを通り抜けた時に出会う眺望が、橋を渡る時にユニークな経験をもたらす。そして魂を呼び起こすような別の次元へ歩行者を誘い込む。
Alagic, Bojan Kanlic, Amila Hrusticによってサラエボに計画された「Festina Lente Bridge」
designboomの TOP TEN public spaces of 2011をご覧ください。