Annie Vought氏による「I am crossing the ocean with two others on a pice of paper'」、2012年作
写真提供:Annie Vought
Annie Vought氏の手書きと切り抜きによる文章のコレクションに新たな作品が加わり、その写真がdesignboomに送られてきた。カリフォルニアのオークランドに住むこのアーティストは、自身が受け取る無数のEメール、SMS、即時のメッセージやTwitterへの投稿などに疑問を持ち、それ以来デジタル形式のメッセージを拒否することにした。Vought氏の切り抜き文章の作品シリーズでは、彼女自身が見つけたり書いたり又は受け取った様々なメモや手紙を殴り書きし、これらの文章を大きな紙に引き延ばしている。そして氏によって切り抜かれた即席のコミュニケーションの再解釈は、切り抜かれたそれぞれの文字を囲む間の部分を生じさせる。そしてVought氏のExact-o-Knifeのような筆跡の中に言葉の選択やつづり間違い、そしてオリジナルの筆者の人間らしさと共にお互いにつながった網状の文字が現れる。
自身の作品について「私はコンピューターを通してたぶん一度も会ったことのない人とも連絡をとったり、リアルタイムで大切な人たちとコミュニケーションがとれます。しかしこのどこででも可能なアクセスと快適性によって、私たちは手で触れることのできる手書きの文字を失いつつあります。手書きの記録というものは個人個人の物語の断片であり、彼もしくは彼女自身にかかわらず、その書き手がしばしば現れるものです。文字はそれが書かれた瞬間に我々が誰であるか、または私たちが残した全ての個性と時間を証明するものです。」と語っている。
「I am crossing the ocean with two others on a pice of paper'」、2012年作
30 x 38インチ
ハンドカットペーパー
「I am crossing the ocean with two others on a pice of paper'」のディテール
「手書きの文字と行がカットペーパーの構造を支えており、脆く見えるこの切り抜かれた紙を頑丈かつ彫刻的に保っています。そして記述と表現に関する入念な研究において文章や構築、そして文字の感情などに焦点を当てています。筆跡や言葉の選択そしてつづりは全てその人物が誰でありどんな人なのか可能なストーリーを繰り広げます。私が文字を再構成するということは人々の内なる人生やその人たちが書く事を通してどのように自分が思っていることを表現することに関するさらなる研究を意味します。」- Annie Vought
「I took the girl to walk in circles」、 2012年作
23 x 28インチ
ハンドカットペーパー
「it sounds fantastic on the floor.」、 2012年作
23 x 28インチ
ハンドカットペーパー
「PS your so cool」、 2011年作
38 x 32インチ
ハンドカットペーパー
In The MakeのKlea Mckenna氏によるアーティストの写真