オランダのテクセルに建つMecanooアーキテクツの手がけた「Kaap Skil」
全ての写真はアーキテクツの好意により掲載
飛行機もしくはボートやフェリーでのみアクセス可能なオランダのワッデン諸島のひとつテクセルに、デルフトの建築事務所、Mecanooアーキテクツの手がけた海洋博物館がオープンした。オーデシルドの村のヴァナキュラーな建築のリズムが打ち寄せる波と溶け合うように、4つの非対称な切り妻屋根がお互いに繋がっている。もともと小屋や住宅の建設のために難破船などの流木の使用から始まった材料の再利用という長年の伝統を尊重し、垂直な木製の被覆は北オランダの運河から調達した堅木矢板で作られている。2階部分は天窓からの自然光あふれる空間であり、また板の被覆の背後にある連続するガラスのファサードによって外部環境への眺めを直線的なヴォイドを通して確保している。
このセンターはカフェとオフィスに加えて、この地域とオランダ東インド会社の船団との歴史的関係性を展示する2つのエキシビションを開催する。地下階には展示品の目玉として、全長18m、奥行4mのリーデ・ヴァン・テクセルの詳細な模型が展示されており、海岸に無数の船が停泊している様子が見られる。
運河の向こうに見える博物館
2階のギャラリー
ギャラリー内部を照らす自然光が外の被覆から差し込む
カフェ
地下階ギャラリー
全長18mの「リード・ヴァン・テクセル」の模型
コンセプチュアルダイアグラム
プロジェクト情報:
用途: 1,200 m² のエキシビションギャラリー、カフェ及びオフィスを含む博物館
設計期間: 2007-2009
建設期間: 2010-2011
施主 Maritiem & Jutters Museum、オーデシールド
担当建築事務所: Mecanooアーキテクツ, BV
博物館デザイン: Kossmann.Dejong、アムステルダム
プロジェクトマネージメント: ABC Management Groep、アッセン
施工会社: Pieters Bouwtechniek、ユトレヒト
インスタレーションコンサルタント: Peter Prins, ウォールデン
建設会社: Bouwcombinatie de Geus & Duin Bouwbedrijf, Broek Op Langedijk
インスタレーション: Itbb, ヘーレンフェーン
木製被覆ファサードの製材所: Pieter Dros, テクセル
※一部敬称略