Tomás Saraceno: 「Cloud Cities」
ハンブルガー・バーンホフ現代美術館、ベルリン、ドイツ
2012年1月15日まで開催中
エキシビション全体に広がる多肉植物の入った構造体に加えて、人間とオブジェクトが相互作用するインスタレーションのディテール
Tomás Saracenoによるインスタレーション「cloud Cities」、2011年ハンブルガー・バーンホフにて
写真著作権はベルリン国立美術館機関に帰属、撮影はTomás Saraceno氏
アルゼンチン生まれのドイツに拠点を置いて活躍するアーティスト、Tomás Saraceno氏によるインスタレーション「Cloud Cities」が現在ベルリンのハンブルガー・バーンホフ現代美術館にて開催中です。作品は幾何学的且つ膨張した形態の集合から構成され、場所性、空間性、未来そして重力に対する理解に挑戦するものです。Saraceno氏はエキシビションを通して人間が彼らの環境と結合してどのように生きているのかを説明しようと試みています。「Cloud Cities」は、傍観者と氏の作品のインターアクションがインスタレーションの重要な様態である建築的作品です。これらの膨らんだ泡のようなオブジェクトとクモの巣のような庭園が地上と空の間に共有の地表を形成しながら、環境影響の物理的表現の転換を助長しています。
博物館を訪れる人が大ホールを通り抜けると、多肉植物による斑点模様もしくは対称的なひもによる直線的なパターンをもつそれぞれの「Cloud City」の小群が様々な高さで空中に吊られています。この疑似生物圏に存在する20個のうち2個の気球は、人が中に入ることが可能です。梯子を上って球体の直径面上に足を踏み入れたり、一種のサボテンのような苔に覆われたドームの床面でくつろいだりすることもできます。このインターアクションで、Saraceno氏は人間と空中及び地上の相互作用への理解を伝えようとしています。ユートピアの理論に対するこの建築家の関心は「Cloud City」の無限の中で明瞭に表現されています。つまりこのインスタレーションは、それ自体が人間と環境の相互作用のための幾何学的代役を務めているのです。
ドーム内の気球の表面に寝そべっている来館者たち
Tomás Saracenoによるインスタレーション「cloud Cities」、2011年ハンブルガー・バーンホフにて
写真著作権はベルリン国立美術館機関に帰属、撮影はTomás Saraceno氏
水が満たされた泡体の錘のディテール、気球を定位置に保つために使用
Tomás Saracenoによる「Cloud Cities」、2011年
「Cloud-Cities」コレクションの目玉である数学的構造体
Tomás Saracenoによるインスタレーション「cloud Cities」、2011年ハンブルガー・バーンホフにて
写真著作権はベルリン国立美術館機関に帰属、撮影はJens Ziehe氏
オブジェクト内の環境のためのサボテン及び水システムの詳細
Tomás Saracenoによるインスタレーション「cloud Cities」、2011年ハンブルガー・バーンホフにて
写真著作権はベルリン国立美術館機関に帰属、撮影はJens Ziehe氏
プロジェクトのコンセプチュアルスケッチTomás Saracenoによる「Cloud Cities」、2011年
インスタレーションのコンセプチュアルドローイング
Tomás Saracenoによるインスタレーション「cloud Cities」、2011年ハンブルガー・バーンホフにて