マレーシア人アーティストのRoslisham Ismail(通称 ise)氏の作品は、日々の生活行動における都市のコミュニティとのつながりと個人的な経験を表現しています。2011 シンガポールアートビエンナーレ での氏の作品は、標準的な6世帯のシンガポール人家族が所有しているものを詰め込んだ6個の冷蔵庫から構成されています。彼自身がこれらの異なる家族と過ごした時間をもとにして、Ise 氏の作品「Secret affair」では単なる誰かの個人的空間だけでなく、食料を買って調理し、食すことに関して彼らがどう思っているかを垣間みることができます。この普遍的で驚くほど具体的な生活の側面の一例が、人々の生活様式に貴重な見解を表現しながら、傍観者が自身の経験についてお互いに意見交換することに参加する動機を与えます。
冷蔵庫の中の食料は2ヶ月にわたるビエンナーレのため、度々補充する必要がありますが、シンガポールアートミュージアムにあるレストランのコック長からは、さらに必要な協力を得ています。冷蔵庫の中に残っているものを基本に特別な献立を作り、David Heng 氏はそれぞれの家族の生活様式と形態に見合った食器類を用意してくれています。
家族のエネルギー供給場所として、キッチンは冷蔵庫によって表現されます。それは典型の代表例として機能しながら、人々の家庭内を観察するための手段を提供します。しかしながらこのプロジェクトでは、これらの家族たちが買い物中、結局彼らに付いてまわり、信用を得るために食料品店で一緒に時間を過ごすという試練に Ise 氏は立ち向かわなければなりませんでした。6ヶ月が過ぎ、アーティストが考えていたよりも多くの計画がこのプロジェクトには必要でした。
Roslisham Ismail 氏(1972年、マレーシアのコタバル生まれ)は現在クアラルンプールに在住し、活動を行なう。
第3回目のSingapore Biennale (SB2011) は3月13日に公式に開会され、2011年5月15日まで開催されます。 designboom はアートディレクターのmatthew ngui 氏、キュレーターの Russell Storer 氏及び Trevor Smith 氏に案内されてこのショーを見学してきました。 SB2011 のオープンハウス・プログラムは国家遺産委員会の Singapore Art Museum (SAM) (シンガポールアートミュージアム)によって企画され、The national arts council, Singapore (シンガポール国立美術カウンシル)によって支援されています。 30カ国から63人のアーティストが4つのエキシビション開催場所(SAM 及び SAM at 8Q、シンガポール国立博物館、カラン空港、マリーナベイ)にて161作品を発表します。