AZC建築スタジオによる「パリの橋」
コンペティション「パリの橋」では、パリに拠点を置く建築スタジオ、AZCが、現代都市の娯楽性という領域に建築的思考を反映させる。建築家たちは幸福の概念がしばしば自然と関連していると考えており、人間が自然にノスタルジックな想いを馳せ、また精神と肉体が本質的に自由であった先の時代の根本的な幸福の状態を想像し続けていることに着目した。
日々の定型化した行為や行動においてスムーズな移動が可能なように成長してきたパリでは、水路を横切る乗り物や歩行者交通の流れのために橋やパッサージュは必須である。観光客やそこに住む人々に対して同じ水路を渡るのにもっと斬新で面白い通路として、特殊な都市機能が提案された。この膨らんだブリッジには巨大なトランポリンが装備されており、川の上で弾むと重力から開放され、楽しい気分を味わえる。
ビラケイム・ビリッジの近くに設定されたこの橋のコンセプトは、直径30mの巨大な救命具のように膨らんだモジュールからなる。各リングの中央にはメッシュ製のトランポリンが張られている。PVC膜で作られた各浮遊ブイは、全体的に安定した自立性を形成するように、コードで繋げられている。3700立方メートルの空気で満たされ、張力によって各モジュールが空中でアーチを形成する。全体を軽量素材でデザインしたこのプロジェクトは、セーヌ川と特定の箇所で交差する。このブリッジはサイズの変更によって他の場所での設置も可能だ。エッフェル塔とダイレクトな関係性をもつ場所に設置されたこのインスタレーションは、パリの全貌というユニークな経験を提供する仮設的な建築のシンボルとなる。
designboomはこのプロジェクトを「DIY submissions」から受け取った。このプログラムはdesignboomの購読者が自らの作品の発表の場として投稿できるというもの。その他の投稿された作品の数々はこちら。